SESでキッティング作業を依頼できる?費用対効果を高める選択肢とは

SESでキッティング作業を依頼できる?費用対効果を高める選択肢とは

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PCの入れ替えや新入社員の入社時期になると、キッティング作業が「社内リソースだけでは回らない」「SESに依頼できないか」と悩む担当者も多いのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、SESでキッティング作業の依頼は可能です。ただし、SESはエンジニアを常駐させる契約形態であり、事前に理解しておきたい注意点があります。そもそもキッティングは、単なる初期設定作業にとどまりません。ネットワーク設定や端末管理ポリシーの適用など、インフラエンジニアが担う領域と密接に関わる業務です。

SESとして参画するエンジニアには、インフラ全体の理解が求められるケースもあります。そこで今回は、SESでキッティングを依頼する一般的なケースや注意点を解説します。その他の委託先との違いも解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

【結論】SESでキッティング作業を依頼できる

SES(システムエンジニアリングサービス)とは、自社の作業環境にエンジニアが常駐してスキルや経験を提供するサービスです。PCのキッティング作業が業務範囲に含まれる場合、SESのエンジニアに依頼できます。

ただし、あくまでもエンジニア常駐型のサービスであり、キッティング業務の代行サービスとは異なる認識が必要です。

ネットワーク設定や社内ポリシーの適用など、キッティングはインフラエンジニアが担当する領域と密接に関わるケースも少なくありません。そのため、SESとして参画するエンジニアには、インフラ全体の構成を理解したうえで業務を遂行するスキルが求められます。

PCキッティング作業のみの依頼は一般的ではない

SESの主な業務内容は、以下のとおりです。

  • システム開発
  • インフラ構築
  • 社内システムの運用サポート
  • ヘルプデスク対応

キッティングは上記に付随する作業の1つであり、単体で依頼するケースは一般的ではありません。たとえば、社内SEのサポート業務の一環として、新入社員向けのPCキッティングを担当するようなイメージです。

また、SESは長期間かつ継続的な業務に適しており、短期間で完了するキッティング作業には要件のミスマッチが生じる可能性もあります。小〜中規模の一時的な依頼であれば、代行業者や業務委託を活用するほうが効果的です。

SESでキッティングが依頼される主なケース

SESでキッティングが依頼されるケースとしては、以下のような例が挙げられます。

  • ヘルプデスクや社内SE業務の一環として
  • 新拠点や支社立ち上げ時にITインフラ構築の一環として
  • 大規模なPCリプレイスの補充要員として

一般的には情報システム部門のサポート要員やヘルプデスクとして参画しながら、担当業務の一部にキッティング作業が含まれているイメージです。また、新拠点や支社の立ち上げに伴うインフラ構築でも、一連の作業としてPCやサーバーのキッティングを担当するケースもあります。

大規模なPCリプレイスの補充要員として参画するケースもありますが、SESではなく専門的にキッティングを支援している代行業者に依頼するほうが効果的です。

SESでキッティングを依頼するときの注意点

SESでキッティング作業を依頼する場合は、以下の注意点を事前に把握しておく必要があります。

  • 契約形態と指揮命令権の理解が必要
  • 担当者の経験が浅い可能性もある
  • 担当者が変更される可能性もある
  • 短期間の作業を依頼しにくい
  • 状況に応じて方針や仕様を変更しにくい

とくに、契約形態や責任の分担については、一般的な業務委託や代行サービスとは異なる部分もあります。契約後のミスマッチを防ぐためにも、これから解説する注意点を確認しておきましょう。

契約形態と指揮命令権の理解が必要

SESの契約形態は「準委任契約」が一般的です。準委任契約には、自社の社員がSESのエンジニアに対して直接的な業務指示(指揮命令)を出せない特徴があります。あくまでもエンジニアはSES企業の従業員であり、指揮命令権が発注側の企業にはありません。

また、準委任契約は業務の遂行を目的としており、成果物の完成を保証するものではありません。「PC100台の設定完了」を一任するような請負契約とは異なり、業務の品質が発注側の管理体制に左右される側面もあります。

SESはエンジニアの技術力を提供するサービスであり、業務の進め方や品質管理について自社が主体的に行う必要があることを認識しておきましょう。

担当者の経験が浅い可能性もある

SESでキッティング業務を依頼しても、必ずしも作業経験が豊富なエンジニアが担当するとは限りません。

システム開発やインフラ構築のように専門性が高い業務と比較して、キッティングは定型的な作業と見なされる傾向があります。そのため、IT業界での経験が浅いエンジニアが担当するケースも少なくありません。

とくにキッティングを効率化するための業務改善も期待する場合は、担当者のスキル次第でミスマッチが生じます。条件にあう人材をアサインしてもらうためにも、求める要件やスキルレベルを明確に伝えましょう。

担当者が変更される可能性もある

SES契約では、業務の途中で担当エンジニアが交代する可能性もあります。主に以下のような理由が挙げられ、エンジニアが所属するSES企業の都合によるケースも少なくありません。

  • エンジニアの契約期間の満了・退職
  • 別プロジェクトへの異動

担当者が変わると、業務の引き継ぎや再教育が必要です。引き継ぎがスムーズに進まない状況に陥ると、作業品質の低下や進捗の遅れにつながります。

担当者の変更によるリスクを軽減するためには、契約を結ぶ段階で以下の要素を確認しておくのが効果的です。

  • 担当者が変更される可能性の有無
  • 変更が発生した場合の引き継ぎ体制

また、キッティングの作業手順をドキュメント化しておき、誰が担当しても品質を維持できるような仕組みも整えておきましょう。

短期間の作業を依頼しにくい

数日から数週間で完了するような短期間のキッティングには、SESは適していない可能性があります。SESの契約期間は1〜3か月が一般的であり、プロジェクトによっては半年から1年以上の長期契約になるケースがほとんどです。

そのため、一時的に発生する数十台規模のキッティングのように、短期間で完結するスポット的な業務を依頼するケースはそれほどありません。契約時の想定規模と実際の作業期間があわない場合には、コストが割高になってしまう可能性もあります。

SESのサポートを最大限に活用するためには、ヘルプデスク業務のように継続的な役割に加えてキッティング作業も依頼するようなケースが理想的です。

状況に応じて方針や仕様を変更しにくい

SESでは、契約時に定めた業務範囲を途中で変更するのが難しい場合もあります。キッティングの対応期間中に仕様変更や追加作業が発生する場合は、SES企業との再交渉が必要です。

交渉には時間がかかるだけでなく、追加の費用が発生する可能性も考えられます。キッティングの状況に応じて柔軟に方針を変えたい場合は、SES以外の選択肢を検討するのも効果的です。

たとえば、自社が直接指揮命令を出せる派遣契約や業務単位で依頼できるフリーランスなど、より柔軟な対応を期待できる選択肢も少なくありません。

SES以外の選択肢|自社にマッチする委託先の判断基準

SESが自社の要件にあわない場合は、その他の委託先を検討するのも効果的です。代表的な委託先としては、以下の選択肢が挙げられます。

  • 代行業者
  • 派遣会社
  • フリーランス

依頼したいキッティングの規模や求める柔軟性によって、最適な委託先は異なります。それぞれの特徴を比較しながら、自社のニーズにマッチする依頼先を判断してみましょう。


【派遣・業務委託・SES】インフラエンジニア契約形態比較表

インフラエンジニアの契約形態を理解できていないと、十分な成果が得られなかったり、トラブルにつながったりする恐れが。 本資料では、そんなインフラエンジニアの契約形態について比較・解説します。

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代行業者:大規模なキッティング向き

数百台〜数千台規模のキッティングを計画する場合は、代行業者への依頼が適しています。作業設備やノウハウが整っている代行業者であれば、大規模なキッティングにも効果的な対応が可能です。PCの初期設定だけでなく、クローニング用マスターイメージの作成や多拠点への配送などを幅広く依頼できる魅力もあります。

また、代行業者の契約形態は「請負契約」が一般的です。成果物の完成が保証されるため、情シス担当者は品質や進捗を管理する負担も軽減できます。

ただし、サービスが標準化されているため、小規模な依頼や個別のカスタマイズにはミスマッチが生じるケースもあります。コストが割高になったり追加費用が発生したりする可能性も考慮しておきましょう。

関連記事:キッティング代行とは?メリットや活用が適しているケースなどを紹介

派遣会社:小規模なキッティング向き

数日〜数週間の小規模なキッティングを依頼したい場合は、派遣会社の活用も有効な選択肢です。SESと同様に、派遣会社のエンジニアも自社に常駐して作業を行います。

SESとの主な違いは「指揮命令権」の所在です。派遣契約では指揮命令権が依頼側の企業にあるため、自社の社員がエンジニアに対して直接的に業務指示を出せます。現場の状況にあわせて柔軟に対応できるのも魅力です。

ただし、派遣されるエンジニアのスキルレベルに差があるため、必ずしも期待どおりの人材が確保できるとは限りません。ミスマッチを防ぐためには、派遣会社に対して求めるスキルや経験を具体的に伝える工夫が求められます。

関連記事:キッティングは派遣会社に依頼すべき?費用相場やメリットなどを解説

フリーランス:費用対効果の高い依頼が可能

費用対効果を重視するなら、フリーランスへの業務委託が効果的です。企業に属していないフリーランスには、契約形態や期間を柔軟に調整しやすいメリットがあります。

たとえば「1週間のみ10台のキッティングを手伝ってほしい」のように短期的かつ部分的な依頼も可能です。必要なタイミングに必要な期間だけ業務を依頼できるため、対応規模に応じてコストを最小限に抑えられます。

また、フリーランスには、キッティングだけでなく、ネットワーク構築やサーバー設定まで対応できるインフラエンジニアも多く存在します。企業の環境や要件にあわせて、キッティングを含む一連のインフラ整備を任せられるのも大きなメリットです。

費用対効果を重視するならフリーランスが効果的

キッティング作業を外部委託するなら、以下のようなメリットがあるフリーランスの活用が効果的です。

  • 依頼に応じて契約形態を選択できる
  • 規模や期間にあわせてコストを抑えられる
  • 進捗状況に応じて柔軟な対応を依頼できる
  • 専門スキルに精通したエンジニアを見つけられる
  • エージェントの活用で迅速にリソースを確保できる

SESや代行業者と比較して、とくに費用対効果や契約の柔軟性に優れています。自社の運用負担を軽減しながら、効率的かつ専門的なキッティングの実現が可能です。

依頼に応じて契約形態を選択できる

フリーランスには、業務の目的に応じて契約形態を選べるメリットがあります。SESではエンジニアの労働時間に対して報酬を支払う「準委任契約」が一般的です。一方でフリーランスであれば、準委任契約だけでなく成果物の完成を目的とする「請負契約」も選択できます。

請負契約では、指定台数のキッティング完了を成果物として契約することも可能です。また、キッティング作業のサポートを目的とする場合は、準委任契約が適しているケースもあります。このように、作業の進め方や責任の所在を自社の状況にあわせて決められる柔軟性は、フリーランスならではの強みといえるでしょう。

規模や期間にあわせてコストを抑えられる

フリーランスへの依頼には、キッティングの規模や期間にあわせて費用対効果を高められる特徴もあります。月単位での契約が一般的なSESとは異なり「数週間のみ」「週3日のみ」の短期間かつ部分的な契約も可能です。

従業員の入社が集中する時期やPCリプレイスの繁忙期など、人員を増強したいタイミングに応じてリソースを確保できます。とくに準委任契約で依頼する場合は、人件費を稼働時間に応じた変動費として扱えるのも大きなメリットです。

さらに、個人のフリーランスと直接契約を結べば、SES企業や派遣会社を介したときに発生する中間マージンがかかりません。同じスキルをもつ人材に依頼する場合でも、直接契約のほうが全体のコストを低く抑えられる可能性があります。

関連記事:キッティングの費用相場|コスト削減のコツや業者の選定ポイントも解説

進捗状況に応じて柔軟な対応を依頼できる

フリーランスは直接的なコミュニケーションが取りやすいため、進捗状況に応じて柔軟な対応を依頼できるメリットもあります。

自社に指揮命令権がないSES契約では、仕様変更や追加作業を依頼したい場合にSES企業の担当者経由での指示が必要です。一方でフリーランスとの業務委託契約であれば、現場の担当者が直接エンジニアとやり取りしながら作業内容を調整できます。

また、契約範囲の調整が比較的容易なため、資産管理ラベルの貼付やマニュアル作成のような付帯業務もあわせて依頼しやすいでしょう。現場の判断で臨機応変に動ける柔軟性は、SESや代行業者にはないフリーランスならではの強みです。

専門知識のあるインフラエンジニアを見つけられる

キッティングの品質向上や効率化を目指すなら、専門スキルをもつフリーランスのインフラエンジニアを探すのが有効な手段です。キッティング作業を効率化するためには、以下のような専門知識が求められます。

  • 複数のPCに設定環境を複製するクローニング
  • モバイル端末を一元管理するMDM(モバイルデバイス管理)
  • 定型的な作業をプログラム化するスクリプト処理

フリーランスを探せるプラットフォームでは、エンジニアのプロフィールやポートフォリオ(実績集)を確認できます。過去に携わったキッティング案件・クローニングやMDMの関連スキルなど、事前に評価したうえで依頼すべきかどうかを判断しましょう。

関連記事でキッティングをインフラエンジニアに依頼するメリットについて解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

関連記事:キッティング作業で求められるエンジニアスキル|人材確保のコツも解説

エージェントの活用で迅速にリソースを確保できる

フリーランス専門のエージェントサービスを利用すると、自社の要件にあった人材をスムーズに見つけられます。エージェントが保有する豊富な人材データベースから要件にあった候補者を提案してくれるため、自社で人材を探す手間と時間を削減できるのも大きなメリットです。

フリーランスとの契約が初めての場合でも、エージェントが契約手続きや条件交渉を代行してくれます。たとえば、フリーランス専門のエージェントサービス「クロスネットワーク」では、最短3営業日での人材提案や契約手続きのサポートも可能です。

エージェントサービスを利用することで中間マージンが発生しますが、一般的にSES企業のマージン率よりも低い傾向にあります。まずは、どのような人材がいるのか、エージェントへの相談を検討してみてください。


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SESでキッティングを検討する前にクロスネットワークへご相談を

SESでキッティングを依頼する場合は、柔軟性やコスト、指揮命令権などの契約の特徴を考慮する必要があります。まずは自社のキッティング作業に求める要件にあわせて、SES以外の選択肢を含めて比較検討するのが効果的です。

費用対効果と業務の柔軟性を重視するなら、専門スキルをもつフリーランスへの業務委託が適しています。キッティングをはじめとするインフラ業務に精通したフリーランスのエンジニアを確保するなら、エージェントサービス「クロスネットワーク」にご相談ください。

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伊藤拓也
記事を書いた人
伊藤拓也

元エンジニアのWebライター。自動車部品工場のインフラエンジニアとして、サーバー・ネットワークの企画設計から運用・保守まで経験。自分が構築したインフラで数千人規模の工場が稼働している達成感とプレッシャーは今でも忘れられない。

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