
インフラエンジニアを採用する際は、契約形態によって業務効率やコストに大きな違いが生じるため、十分な注意が必要です。
無期雇用派遣は長期契約が可能で安定性が高いのが特徴ですが、いくつかのデメリットも存在します。
そこで、無期雇用派遣と他の契約形態との違いを理解することにより、適切な選択が可能となります。
本記事では、インフラエンジニアを無期派遣で採用するメリット・デメリットや、他の契約形態との違いも詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
無期雇用派遣とは?派遣契約の基本的な仕組みを解説
まずはじめに、派遣契約の基本的な仕組みと無期雇用派遣に関する内容をわかりやすく解説します。
派遣契約の定義
派遣契約とは、派遣会社が雇用主となり、登録された労働者を派遣先企業で働かせる仕組みです。派遣労働者は派遣会社と雇用契約を結びますが、実際の働く場所は派遣先企業となります。
出典:厚生労働省
派遣契約の種類|有期雇用派遣と無期雇用派遣の違いを比較
派遣契約には、大きく分けて「有期雇用派遣(登録型派遣)」と「無期雇用派遣(常用派遣)」の2種類があります。
一般的に活用されている「有期雇用派遣」は契約期間が限定されている(いわゆる3年ルール)のに対し、「無期雇用派遣」は派遣期間に定めがないのが特徴です。
これにより、長い期間にわたり、安定した労働力を確保しやすくなるメリットがあります。
出典:厚生労働省
無期雇用派遣の活用が増加している背景
厚生労働省は発表した「令和5年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」によると、有期雇用派遣労働者数は1,274,358人で前年比3.3%減であるのに対し、無期雇用派遣は842,680人で1.7%増となっています。
無期雇用派遣を活用する企業が増えている要因としては、法律の改正や人手不足、そして働く人と企業のニーズが関係しているといえるでしょう。
派遣法や労働法などの法律が変わり、人材市場における雇用を安定させる動きが進む中で、企業が派遣社員を長期的に活用したいと考えるようになりました。また、企業が無期雇用派遣を使うことで、採用や教育にかかるコストを抑えることが可能です。
さらに、安定した働き方を求める労働者が増え、派遣会社が企業に無期雇用派遣を提案する機会が増えていることも、企業が無期雇用派遣を活用する機会が増えた要因の一つとなっています。
このように、人手不足に悩む企業においては、無期雇用派遣の活用が効率的に人材を確保する方法として注目されているのです。
インフラエンジニアを無期雇用派遣で採用するメリット3つ
次に、企業がインフラエンジニアを無期雇用派遣で採用する3つのメリットを解説します。
安定した技術力を確保できる
無期雇用派遣でインフラエンジニアを採用することで、長期的な雇用が可能となり、技術力を安定して確保できます。
自社の業務やシステムに精通した人材を確保・維持することで、安定したシステム運用が可能です。
また、新しいスキルや技術の習得を促進するためのトレーニングも効果的に行えるため、企業の成長に貢献するエンジニアを育てることができるでしょう。
採用コストの削減と業務の効率化に期待ができる
無期雇用派遣を活用することで、人材募集や採用プロセスにかかるコストを削減できます。
また、長期的な契約により、派遣会社が採用や教育の負担を担い、企業側の業務負担が軽減されるでしょう。
さらに、業務効率化が進むことで、プロジェクトの納期遵守や成果の向上にもつながります。
これらのメリットにより、自社の貴重なリソースや時間、予算を有効活用できる点が大きなメリットです。
組織への適合とプロジェクトの継続性を確保できる
無期雇用派遣のインフラエンジニアを採用することで、企業文化や組織構造への適応が促進されます。なぜなら、長期的な雇用により、派遣先のチームやプロジェクトに対する理解が深まり、円滑なコミュニケーションが可能となるからです。
また、プロジェクトの途中で人材が変わるリスクが減少し、継続性を確保することで、プロジェクト成果の安定化と質の向上にも寄与するでしょう。
インフラエンジニアを無期雇用派遣で採用するデメリット3つ
次に、インフラエンジニアを無期雇用派遣で採用する3つのデメリットを解説します。
最新技術の導入が難しくなる可能性がある
派遣先企業における無期雇用派遣では、エンジニアが長期間同じ職場に留まるのが一般的です。
人材の流動性が低くなることで職場が固定化され、外部からの新しい技術や革新的なアイデアを取り入れることが困難になる可能性があります。また、エンジニアが多様な経験を積む機会が減少し、技術的進化が停滞するリスクが高まるでしょう。
これらの要因から、企業が技術革新に対応するための柔軟性を失うというデメリットがあります。そこで、自社に必要な最新の技術やアイデアを取り入れるために、フリーランスのインフラエンジニアへの外注が有効です。
長期的なコスト負担が大きくなる可能性がある
派遣先の企業が無期雇用派遣を活用することでエンジニアの雇用が安定する一方で、長期的にエンジニアを維持するためのコストを負担し続けることになり、予算が圧迫される恐れがあります。
また、経済状況の変化やプロジェクト終了に伴うリソース過多の際には、費用効率が低下する可能性もあるでしょう。
そこで、費用面での懸念がある場合には、フリーランスへの業務委託がおすすめです。インフラエンジニアの報酬や業務委託のメリットについては、以下の記事をご参照ください。
関連記事:インフラエンジニアの報酬単価と相場はいくら?外注するメリットも解説
派遣先の選択肢が限定される可能性がある
無期雇用派遣の枠組みでは、派遣先の企業が特定の基準を満たす人材しか利用できない場合があります。その結果、柔軟な人材配置が困難となり、適切なプロジェクトへの人材配置ができない可能性があります。
特定のスキルセットを持つエンジニアを雇用したい場合には、採用する人材の選択肢が狭まり、業務対応の幅が狭くなることも考えられるでしょう。
専門性の高いインフラエンジニアの採用は、フリーランスのインフラエンジニアへの業務委託が有効です。
無期雇用派遣と正社員や業務委託契約との違いを比較して解説
以下では、無期雇用派遣と正社員や業務委託契約との違いを比較して解説します。ぜひ参考にしてください。
無期雇用派遣と正社員採用との違いを比較
以下では、無期雇用派遣と正社員採用との違いを比較します。
項目 | 無期雇用派遣 | 正社員 |
雇用形態 | 派遣元企業が雇用し、派遣先企業に派遣される | 企業が直接雇用 |
コスト構造 | 時間単位の派遣料金を支払う | 給与・社会保険などの総費用を負担 |
柔軟性 | 必要な期間だけ利用可能で柔軟性が高い | 配置転換や採用後のコスト調整が困難 |
指揮命令権 | 業務指示可能(派遣契約に基づく範囲内) | 直接の業務指示が可能 |
スキル活用 | 特定のスキルを持つ人材を必要に応じて利用できる | 採用後の育成が必要 |
上記のように、正社員は直接雇用による長期的な安定性があり、社内教育を通じてスキル育成が可能ですが、採用や配置転換が制約される場合があります。
無期雇用派遣と業務委託契約との違いを比較
次に、無期雇用派遣と業務委託契約との違いを比較します。
項目 | 無期雇用派遣 | 業務委託契約 |
雇用形態 | 派遣元企業が雇用し派遣先企業で勤務 | 個人または企業と業務委託契約を結ぶ |
契約形態 | 労働契約(派遣元経由) | 準委任契約または請負契約 |
指揮命令権 | 業務に関する直接指示が可能 | 業務範囲や手順について指示は不可 |
コスト構造 | 派遣料金を支払う | 業務ごとに定められた委託料を支払う |
柔軟性 | 必要な人材をタイムリーに確保可能 | 業務範囲が事前に契約書で定義され、変更が困難 |
成果物責任 | 労働時間内での業務遂行が重視 | 成果物の納品責任が重視 |
上記のように、無期雇用派遣は必要なスキルを持つ人材を柔軟に確保できる利点がありますが、派遣元企業を介しているためコストが割高になるケースも少なくありません。
業務委託契約は成果物ベースで契約できるため柔軟性は高いものの、指揮命令ができないためにプロジェクト管理が重要です。
短期的で高スキルが必要となる業務の場合は、フリーランスへの業務委託が効率的かつ専門性を生かせる選択肢としておすすめです。
フリーランスのインフラエンジニアへ業務委託するメリット3つ
以下では、フリーランスのインフラエンジニアへ業務委託するメリットを3つ紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
コスト効率の良さ
無期雇用派遣では、派遣元企業に支払う手数料やエンジニアの固定的な給与負担が発生します。
一方、フリーランスに業務委託する場合、プロジェクト単位で契約が可能であり、固定費が抑えられるため、コスト効率が向上します。
また、必要な業務に応じた適切なスキルを持つ人材を選定することで、無駄なリソースを削減できるのも大きなメリットです。
関連記事:フリーランスのインフラエンジニアと契約した場合の単価相場とは?|単価交渉のコツも解説
プロジェクト単位での柔軟な契約が可能
無期雇用派遣では契約期間が比較的長期に設定されることが多いのに対し、フリーランスはプロジェクトごとに契約を結ぶことが可能です。
フリーランスへの業務委託では、業務の進捗や必要なリソースに応じて契約条件を柔軟に調整できるため、短期間のプロジェクトや突発的な業務にも迅速に対応できます。
高い専門性と最新技術の導入に期待ができる
無期雇用派遣のエンジニアは一定の業務経験やスキルを持っているものの、最新技術へのアクセスや専門的なスキルが不足する場合も少なくありません。
一方、フリーランスは最新のトレンドや高度な専門スキルを武器に市場で活動している人材が多く、派遣と比べて最先端の技術を導入できる可能性が高いでしょう。
また、特定の分野に精通したエンジニアを選んで業務委託することで、プロジェクトの質を大幅に向上させることが可能です。
関連記事:インフラエンジニア案件をフリーランスに業務委託する方法とメリットを解説
フリーランスのインフラエンジニアへ業務委託する際の効率的な採用手順5つ
次に、フリーランスのインフラエンジニアへ業務委託する際の効率的な採用手順を5つ解説します。
1.特化型エージェントの選定
効率的な採用を実現するためには、フリーランスのインフラエンジニアに特化したエージェントを選ぶことが重要です。なぜなら、特化型のエージェントを活用することで、信頼性の高い候補者リストを迅速に入手できるからです。
また、スキルや経験、料金などの情報を容易に比較できるため、採用プロセスが効率化されるでしょう。
そこで、エージェントの評判や専門性を事前に調査する必要があります。
2.要件定義
プロジェクトの成功に向けて、業務内容、必要なスキル、期待される成果を明確に定義しましょう。要件定義は、候補者選定時のミスマッチを防ぐための重要なプロセスです。
具体的な要件を文書化することで、エージェントやフリーランスエンジニアと効率的にコミュニケーションを取ることができ、選考にかかる無駄な時間を削減できます。
3.候補者との面接と評価
エージェントから推薦された候補者と面接を行い、技術スキルや過去の実績を評価します。
面接では、プロジェクト要件との適合性だけでなく、コミュニケーション能力や問題解決能力も確認することが重要です。
オンラインツールを活用すれば、迅速かつ効率的な評価が可能です。
4.契約内容の交渉と締結
業務委託契約では、報酬、納期、業務範囲などを交渉して明確化し、双方が納得できる契約を締結しましょう。特に、機密保持契約(NDA)や納品物の権利に関する取り決めは慎重に行うべきです。
契約内容が不明確な場合には、後々トラブルの原因となる可能性があるため、十分な注意が必要です。
5.プロジェクトの開始と進行管理
業務委託契約を締結したら、迅速にプロジェクトを開始しましょう。進行状況を適切に管理するために、定期的なミーティングや進捗報告を取り入れることが重要です。
プロジェクト管理ツールを活用すれば、効率的なタスク管理が可能です。問題が発生した場合は早期に対応し、プロジェクトをスムーズに進めましょう。
関連記事:インフラエンジニア案件をフリーランスに業務委託する方法とメリットを解説
優秀なインフラエンジニアを見分ける際に確認すべきポイント
最後に、優秀なインフラエンジニアを見分ける際に確認すべきポイントを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
過去の実績とポートフォリオを確認する
優秀なインフラエンジニアを見分ける際には、過去の実績やポートフォリオが重要な指標となります。
具体的には、担当したプロジェクトの規模や内容、成果物の品質、解決した技術的課題などを確認しましょう。また、GitHubなどで公開されているコードや技術資料も、評価の重要なポイントです。
ただし、ポートフォリオだけではその人の総合的な能力を完全に見極めることは難しいため、他の要素も合わせて判断する必要があります。
スキルテストや技術面接で問題解決能力を確認する
スキルテストや技術面接を通じて、エンジニアが課題をどのように解決するかを直接確認することが有効です。特に、実践的な問題を用意することで、技術的な知識や論理的思考、応用力を評価できます。また、エンジニアが自身の解決手法を説明できるかどうかも重要なポイントです。
しかし、テストや面接の設定が偏りすぎると能力を正しく評価できない場合もあるので、バランスの取れた評価スキルが求められます。
コミュニケーション能力を確認する
インフラエンジニアは技術的なスキルに加えて、チームとの連携やステークホルダーとのコミュニケーションが求められる職種です。
そこで、対話やヒアリングを通じて、相手の意図を理解し適切に対応できる能力を確認しましょう。例えば、面接時にチームでの課題解決経験を質問したり、ロールプレイングを実施すると効果的です。
ただし、コミュニケーション能力の判断は主観的になりがちなので、多角的な評価が重要です。
関連記事:インフラエンジニアの採用が難しい理由と優秀な人材を獲得する方法を解説
優秀なインフラエンジニアへの外注に特化型エージェントがおすすめな理由
上記のように、インフラエンジニアを評価する際は、スキルや実績、問題解決能力など多角的な視点が必要です。そのため、採用担当者が単独で判断することが難しく、採用プロセスが複雑かつ長期化しやすい傾向にあります。
そこでおすすめなのが、クロスネットワークをはじめとする、インフラエンジニアに特化したエージェントの活用です。
特化型のエージェントはインフラエンジニアに関する専門知識を持っており、クライアントのニーズに合わせた候補者を厳選して紹介してくれるため、評価の難しい採用プロセスを効率化できます。
また、市場動向を踏まえた報酬設定や契約内容の調整や交渉のサポートも受けられるため、優秀な人材の迅速かつ適切な採用を実現可能です。
優秀なインフラエンジニアの採用を効率的に成功させたい場合には、エージェントの利用が非常に有効な手段となるでしょう。
関連記事:インフラエンジニア採用にエージェントを活用するメリットと選び方を解説
優秀なインフラエンジニアへの外注は「クロスネットワーク」がおすすめ!
クロスネットワークは、優秀なインフラエンジニアへの外注を効率化する、信頼性の高いプラットフォームです。
専門性の高いインフラエンジニアが多数登録しており、クライアントのニーズに応じたスキルを持つ経験豊富な人材を迅速に提案いたします。また、案件に合わせて柔軟な契約形態や報酬を設定できるため、効率的かつコスト効果の高いアウトソーシングを実現可能です。
プロジェクトの進捗管理やサポート体制も充実しており、外注におけるさまざまなトラブルのリスクを低減できるのも、クロスネットワークをおすすめする理由の一つです。
さらに、登録しているインフラエンジニアとの合意があれば、正社員としての採用も可能です。スカウトや人材紹介機能もあるため、採用難易度の高い、即戦力となるインフラエンジニアの採用機会を最大限にサポートします。
クロスネットワークに相談いただければ、最短3営業日でのアサインも可能。また、週2〜3日の柔軟な依頼にも対応できますので、自社の作業量に応じた効率的な外注を実現できるのが強みです。
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