インフラエンジニアは企業のIT基盤を設計、構築、運用、保守する専門職で、ITシステムを安定稼働させる重要な役割を担う存在です。
近年はさまざまな業界でIT化やDXが進み、企業の競争力を維持・強化させるためには、インフラエンジニアの存在が欠かせません。
しかし、インフラエンジニアの需要の増加に対し、人材供給が追いついていない状況です。そのため人材市場では、優秀なエンジニアの争奪戦となっています。
そこで今回は、インフラエンジニアの需要が高い理由を考察し、優秀な人材の効率的な獲得方法を詳しく解説します。インフラエンジニアの採用に課題のある方は、ぜひ参考にしてください。
インフラエンジニアとは?
インフラエンジニアとは、コンピューターシステムが安定して稼働するために必要なネットワークやサーバー、ストレージなどの基盤となる技術を設計、構築、運用する専門家のことです。企業の安定した運営に欠かすことのできない人材ですが、人手不足が顕著な職種でもあります。
インフラエンジニアの深刻な人材不足は、IT業界の急成長と人材育成の遅れが主な原因です。デジタル化の加速、クラウドサービスやIoTの普及により、ITシステムの需要が爆発的に増大している一方で、高度な専門知識とスキルを持つ人材が不足しています。
また、長時間労働や高いストレスなど、労働環境に関する課題も、人材の離職を招き、人材不足をさらに深刻化させている状況です。
特に近年は、IT業界の成長スピードが人材育成のスピードを上回っているため、インフラエンジニアの深刻な人材不足が解消される目処は立っていません。
インフラエンジニアの需要が高い理由を解説
人手不足に多くの企業が悩む近年、特にエンジニアが足りていない企業は少なくありません。その中で、インフラエンジニアについても、以下のようなデータがあります。
上記は、厚生労働省の職業情報サイトJobtagの情報で、インフラエンジニアの有効求人倍率が2.23倍と高い数値であることがわかります。
以下では、このように企業からインフラエンジニアの需要が高い理由を解説します。
クラウド環境の普及
近年は、企業が自社でサーバーを管理するオンプレミス環境からクラウドサービスへの移行が進んでいるために、インフラエンジニアの需要が高まっている状況です。
下記のグラフは、総務省が発表した、企業におけるクラウドサービスの利用状況を表したものです。このグラフからもわかるように、令和5年度には半数以上の企業が全社的にクラウドサービスを利用しており、一部で利用しているという企業を合わせると、七割を優に超える企業がクラウドサービスを利用していることが伺えます。
クラウド環境は、柔軟性、拡張性、コスト削減などのメリットがあります。しかし、クラウドシステムの構築・運用には、高度なインフラエンジニアの知識とスキルが不可欠です。
サイバーセキュリティの強化
サイバー攻撃の脅威が高まる中、企業は自社のシステムを保護するためのセキュリティ対策を強化しています。そこで、セキュリティに関する知識と経験を持つインフラエンジニアの需要が高まっている状況です。
上記も総務省のデータで、ほとんどの企業が、さまざまなデータセキュリティなどの対策を独自に行っていることがわかります。
インフラエンジニアは、ネットワークセキュリティ、サーバーセキュリティ、データセキュリティなど、さまざまなセキュリティ対策の設計・実装する役割を担います。
DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進
近年は、多くの企業がデジタル化を進めており、DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいます。
上記は、経済産業省が推進している「DX認定制度」を活用し、認定を受けた事業者数の伸びを示すものです。この資料からもわかるように、さまざまな業種でDXの取り組みが進んでいることがわかります。
DXの実現には、既存のシステムをクラウドに移行したり、新しいITシステムを導入したりする必要があり、インフラエンジニアの深い知識と経験が不可欠です。
そのため、今後も需要が高まることが予想されます。
インフラエンジニアの重要性と役割
以下では、インフラエンジニアの重要性と役割について解説します。
システムの安定性と信頼性の確保
インフラエンジニアは、企業のITシステムの基盤となるネットワークやサーバー、ストレージなどを設計、構築、運用し、システム全体の安定稼働を担保する重要な役割を担います。
システムが安定して稼働することは、ビジネスの継続性や顧客からの信頼性を高めることにつながります。
パフォーマンスの最適化
インフラエンジニアは、システムの性能を最大限に引き出すために、ハードウェアやソフトウェアの設定を最適化したり、ボトルネックとなる部分を特定して改善したりします。
システムのパフォーマンスを最適化することは、情報処理の速度が向上し、ユーザーの満足度を高めるための重要な要素です。
セキュリティの強化
インフラエンジニアは、サイバー攻撃からシステムを保護するために、ファイアウォール設定や侵入検知システムの導入、定期的なセキュリティパッチの適用など、さまざまなセキュリティ対策を行います。
セキュリティを強化することで、情報漏洩やシステムダウンのリスクを軽減し、企業の資産を守ることが可能です。
システムの運用コストの削減
インフラエンジニアは、クラウドサービスの導入や、既存システムの効率化などを通じて、システムの運用コストを削減します。企業のITコストを最適化することは、ビジネスの収益性の向上にも貢献する重要な取り組みです。
優秀なインフラエンジニアを効率良く獲得する方法6つ
現代のビジネスにおいては、インターネットやコンピューターシステムの活用が欠かせません。そこで、優秀なインフラエンジニアを効率良く獲得する方法を6つ紹介します。
- 需要分析と求人要件の明確化
- 魅力的な求人広告の作成
- ビジネス特化型SNSの活用
- 就業・育成環境が整っていることをアピールする
- 魅力的な報酬と福利厚生の提供
- 専門のエージェントの活用
以下で、それぞれ解説します。
需要分析と求人要件の明確化
まずはじめに、自社でどのようなスキルを持ったインフラエンジニアが必要なのかを明確にすることが重要です。求めるスキルセット、経験年数、求められる役割などを具体的に定義することで、ターゲットを絞り込み、効率的な採用活動が可能となります。
魅力的な求人広告の作成
求人広告は、企業の魅力を伝える重要なツールです。自社の事業内容や企業文化、エンジニアのキャリアパスなどを具体的に示し、求職者に共感してもらえるような求人広告を作成しましょう。また、求めるスキルや経験だけでなく、働く環境や福利厚生についての詳細を記載することで、応募者の興味を引き付けることが可能です。
ビジネス特化型SNSの活用
LinkedInなどのビジネス特化型SNSを活用することで、ターゲットとするエンジニアに直接アプローチすることが可能です。ハッシュタグやグループを活用して、自社の求人を拡散し、興味関心のあるエンジニアにリーチしましょう。
就業・育成環境が整っていることをアピールする
エンジニアにとって働きやすい環境をアピールすることは、採用活動において非常に重要な要素です。最新の技術に触れる機会、成長できる環境、ワークライフバランスなど、魅力的な就業環境をアピールすることで、優秀なエンジニアを引きつけることができるでしょう。
魅力的な報酬と福利厚生の提供
優秀なエンジニアを採用するには、そのスキルや経験に見合った報酬を提供する必要があります。そこで、競合他社の情報を参考にして、魅力的な報酬体系を設計しましょう。
また、リモートワーク、フレックスタイム制、充実した福利厚生など、エンジニアが働きやすい環境を提供することも、人材獲得競争で優位に立つための重要な要素です。
専門のエージェントの活用
エンジニアの採用に特化したエージェントに依頼することで、効率的に人材を探すことができます。また、エージェントを活用することで、企業のニーズに合った候補者を紹介してもらえるだけでなく、煩雑な契約手続きなど、採用に関するさまざまなサポートを受けることが可能です。
即戦力のフリーランス人材を活用するメリット
インフラエンジニアの即戦力人材を獲得する際は、フリーランス人材の活用がおすすめです。フリーランスのインフラエンジニアを活用することで、次のようなメリットが得られるでしょう。
柔軟な労働力の確保
まず、プロジェクト期間に合わせた人員調整がしやすくなります。プロジェクトの規模や期間に合わせて、必要な期間だけエンジニアを雇用できるため、人件費の無駄を抑えられるでしょう。
また、急な人員増に対応できるのもメリットです。突発的なプロジェクトや、特定のスキルを持ったインフラエンジニアが急に必要になった場合でも、迅速に対応できます。
コスト効率の向上
フリーランスのインフラエンジニアを活用することで、正社員を雇用する場合と比べ、社会保険料や福利厚生費などの固定費を抑えることが可能です。
また、特定のスキルを持ったエンジニアだけを雇用できるため、人件費を無駄に使うことがありません。
専門的な知識やスキルの活用
自社の必要に応じて、さまざまな分野の専門知識を持つフリーランスエンジニアを活用できます。フリーランスのエンジニアは、多くの職場で常に最新の技術に触れているため、自社に新しい技術を導入できるのも魅力です。
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