新入社員の入社やPCの入れ替え時期が近づき「数百台規模のキッティング作業をどう乗り切るか」と頭を悩ませていませんか?OSのインストールや個別設定を1台ずつ行う作業では、担当者にかかる負担や品質のばらつきが悩みの種です。
キッティング作業のよくある課題は、豊富な実績と信頼性の高い「大手企業」のサービスを活用することで解決が可能。本記事では、キッティングサービスを提供する代表的な大手企業5社を解説します。
キッティングサービスの大手企業5選
大規模なキッティング作業のリソース不足を解決する方法として、専門知識と実績が豊富な大手企業への依頼が有効です。以下にキッティングサービスを提供している代表的な大手企業を5社ピックアップしました。
| 大手企業 | 特徴 |
|---|---|
| SCSK株式会社 |
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| SBSリコーロジスティクス株式会社 |
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| 富士通株式会社 |
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| 日本電気株式会社(NEC) |
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| 株式会社大塚商会 |
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数百~数千台規模のキッティング作業は、情シス担当者にとって大きな負担です。各社の特徴を比較しながら、自社の状況に最適なサービスを選ぶ参考にしてみてください。
SCSK株式会社|PCライフサイクルマネジメントサービス
▲出典:PCライフサイクルマネジメントサービス Prime Management|SCSK株式会社
| 特徴 |
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| こんな企業に適している |
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| 公式サイト | https://www.scsk.jp/product/common/pclm/index.html |
SCSK株式会社は、以下のLCM(ライフサイクルマネジメント)を一括サポートしています。
- 調達(機器選定・スケジュール管理など)
- 導入(キッティング・クローニング・設置作業など)
- 運用(技術サポート・在庫保管・配送管理など)
- 廃棄(データの消去・レンタル端末の返却など)
キッティング作業だけでなく、PCの調達から廃棄までまとめて依頼できるサービスです。導入実績は500社以上、延べ100万台以上と豊富な実績があり、大手企業ならではの安定したサービス品質が期待できます。
複数拠点に端末を展開したい場合も、キッティングから配送までスムーズに対応可能です。PC管理の全体的な効率化を目指す企業にとって、心強いサービスを提供しています。
SBSリコーロジスティクス株式会社|キッティングサービス
| 特徴 |
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| こんな企業に適している |
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| 公式サイト | https://www.sbs-ricohlogistics.co.jp/sbsrlsc/logistics/it_asset/kitting/ |
物流事業で培ったノウハウに定評のあるSBSリコーロジスティクス株式会社は、キッティングと物流を一体化させた独自のサービスを展開しています。以下のように幅広い機器のキッティングに対応できるのも魅力です。
- PC
- スマホ・タブレット
- サーバー・ネットワーク機器
自社の物流センター内にキッティング拠点を構えているため、設定が完了した端末の効率的な保管・配送が可能です。多拠点に事業所をもつ企業でも、大規模プロジェクトのスムーズな展開を実現できます。
また、資産管理ラベルの貼付やメモリの増設といった、企業ごとの細かな要望にも柔軟に応えるカスタマイズ性の高さも魅力です。
富士通株式会社|スマートデバイス-LCMサービス
| 特徴 |
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| こんな企業に適している |
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| 公式サイト | https://www.fujitsu.com/jp/services/infrastructure/maintenance/lcm/ workplacelcm/smartdevice/kitting/index.html |
富士通株式会社は、スマートデバイス(スマホやタブレット)の導入・管理に特化したLCMサービスを提供しています。
業務でスマートデバイスを活用する企業にとって、1台ずつの端末設定は作業負荷が課題になりがちです。富士通株式会社のLCMサービスでは、マスター端末からの展開によって効率的かつ標準化された品質を維持しています。
また、全国10か所にあるキッティングセンターから日本各地に配送可能。全社的にスマートデバイスを大量導入する計画がある企業に適しているサービスです。
日本電気株式会社(NEC)|キッティングサービス
| 特徴 |
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| こんな企業に適している |
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| 公式サイト | https://support.nec-lavie.jp/navigate/support/biz/services/kitting/ |
日本電気株式会社(NEC)は、自社製品の大規模な導入に対応できるキッティングサービスを提供しています。最大の強みは、数万台規模のプロジェクトに対応できるキャパシティと企業の個別事情にあわせた柔軟なサポート体制です。
たとえば、プロジェクトの進捗にあわせて複数回の分割納品も依頼できます。また、部署や役職ごとの個別カスタマイズにも対応が可能です。端末の保管場所や納品スケジュールの計画など、大規模なキッティングを計画する企業が悩みがちな課題を解消できる魅力があります。
株式会社大塚商会|PCライフサイクルサポート
| 特徴 |
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| こんな企業に適している |
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| 公式サイト | 中小企業向け:https://www.otsuka-shokai.co.jp/products/pc-lifecycle/ 大企業向け:https://www.otsuka-shokai.co.jp/products/enterprise/pc-lifecycle/ |
株式会社大塚商会は、企業規模に対応した複数のPCライフサイクルサポートを提供しています。官公庁や建設業など、幅広い業界・企業規模の導入実績も豊富です。
株式会社大塚商会のキッティング作業は、入退室管理や監視カメラの設置など、厳重なセキュリティ対策が施された自社の専用施設で行われます。企業の機密情報や個人情報が含まれる端末を安心して預けられる体制が強みです。
また、PCだけでなく、サーバーやスマートデバイスのキッティングにも対応しています。企業規模に応じたサービスプランが用意されているため、自社のニーズにあったサポートを選びたい企業にも選びやすいサービスです。
自社にあったキッティングの大手企業を選ぶポイント
自社にあったキッティングの大手企業を選ぶためには、以下3つのポイントを比較検討するのが効果的です。
- サービスの対応範囲
- 料金体系と費用相場
- セキュリティ体制
各社が提供するサービスには細かな違いがあるため、自社の体制や要望にあっているかどうかを判断しましょう。
サービスの対応範囲
自社に適したキッティングの大手企業を選ぶには、まずはサービスの対応範囲を確認するのが重要です。また、以下のような工程に分けると、部分的に依頼できるかどうかの判断基準になります。
- 調達(機器選定・スケジュール管理など)
- 導入(キッティング・クローニング・設置作業など)
- 運用(技術サポート・在庫保管・配送管理など)
- 廃棄(データの消去・レンタル端末の返却など)
また、スマホやサーバーなど、企業によって取り扱う機器が異なります。自社固有の設定やオンサイトでの対応など、個別依頼が必要な場合も事前に確認しておきましょう。
料金体系と費用相場
キッティングサービスを選ぶときには、各社の料金体系を確認する必要があります。しかし、大手企業のキッティングサービスは、一般的にWebサイトで詳細な費用を公開していません。
そのため、まずは複数の候補企業に問い合わせ、サービス内容に基づいた相見積もりを取得するのが基本です。相見積もりを取得したら、以下の観点で各種費用を確認してみましょう。
- 料金体系(1台あたりの基本単価またはパッケージ料金)
- 付帯作業の追加料金の有無(ラベル貼付や添付品の抜き取りなど)
- 配送費の有無
サービスの内容と費用相場を把握するためには、同じ条件で提示された見積もりの比較が欠かせません。費用の相場や費用対効果の判断基準を把握したい場合は、以下の関連記事を参考にしてみてください。
関連記事:キッティングの費用相場|コスト削減のコツや業者の選定ポイントも解説
セキュリティ体制
キッティング作業を外部企業に依頼する場合は、セキュリティ体制の確認が欠かせません。業務端末には企業の機密情報や個人情報が含まれる可能性もあるため、情報漏洩のリスクを最小限に抑える必要があります。
- ISMSやプライバシーマークなどの第三者認証を取得しているか
- キッティング作業を行う場所にセキュリティ対策が施されているか
- PC廃棄時にデータ消去作業の手順と証明書を発行できるか
上記のような観点で高いセキュリティ水準を維持している企業であれば、安心してキッティング作業を任せられます。
キッティングを代行業者に依頼するときの注意点
数百~数千台規模のキッティングを大手企業に依頼すると、情シス担当者の作業負担を大幅に軽減できます。しかし、外部委託には、以下のように把握しておきたい注意点も少なくありません。
- 小規模な依頼ではコストが割高になりやすい
- 個別のカスタマイズに対応しづらい
- 内製化しづらい(委託先に依存してしまう)
期待したキッティングの効果を得るためにも、デメリットとなりうる要素を事前に理解しておきましょう。
小規模な依頼ではコストが割高になりやすい
大手企業が提供するサービスの料金体系は、一般的に大規模なキッティングを前提とする傾向があります。とくに数台程度の小規模な依頼では、以下の要因で1台あたりの作業単価が割高になる可能性も少なくありません。
- 最低限依頼すべき台数(最小ロット)が決められている
- 1台単位ではなく作業全体のパッケージ料金が設定されている
- 固定の配送費が発生する
依頼規模が比較的小さい場合は、人材派遣会社や業務委託で一時的な人員を確保するのも有効な方法です。
個別のカスタマイズに対応しづらい
大手企業のキッティングサービスでは、個別の細かなカスタマイズに対応しづらい可能性もあります。大手企業はキッティングの効率化と品質の均一化を図るため、サービス内容を標準化しているケースが多いためです。
以下のように標準メニューから外れる要望には、対応できなかったり追加費用が発生したりすることもあります。
- 企業独自の業務システムをインストールする
- 部署ごとに異なる特殊な設定を適用する
まずは自社が求めるキッティングの要件をリストアップし、対応できる範囲を契約前に確認しておきましょう。
内製化しづらい(委託先に依存してしまう)
キッティング業務を外部委託すると、社内に技術やノウハウを蓄積しにくい課題が残ります。専門業者に一任すると作業負担を軽減できるメリットはありますが、情シス担当者が作業内容を把握できなくなるケースも少なくありません。
キッティングのプロセスがブラックボックス化してしまうと、設定変更やトラブルが発生したときに社内で誰も対応できないという状況に陥ります。また、キッティング作業が発生するたびに外部へ依頼する必要があり、長期的に見ると費用が積み重なってしまうでしょう。
委託先に依存してしまう状況を避けるためには、業務の内製化が効果的です。たとえば、委託先に手順書を作成してもらうように依頼するのも1つの方法です。
柔軟な条件・内容で依頼できる外部委託先の選択肢
大手企業の標準化されたサービスは、小規模な依頼や個別の設定を求めるような要件にマッチしない可能性もあります。そのような場合は、以下の外部委託先を検討するのも効果的です。
- 業務委託(フリーランス)
- SES
- 派遣会社

業務委託(フリーランス)
専門性の高い作業をピンポイントに依頼したい場合は、業務委託(フリーランス)のエンジニアを活用するのも有効な選択肢です。大手企業のようにパッケージ化されたサービスではなく、必要な作業内容と期間を定めて契約するためコストを最小限に抑えられます。
小規模から中規模のキッティング作業において、高い費用対効果を得られるのがフリーランスの魅力です。納期や作業範囲の柔軟性が高いため、企業の個別要件にあわせた対応も期待できます。
また、以下のような難易度の高い業務には、専門スキルをもつエンジニアが適任です。
- Windows Autopilotの導入支援だけを依頼したい
- キッティング作業を自動化するスクリプトを作成したい
関連記事:キッティング作業で求められるエンジニアスキル|人材確保のコツも解説
SES
SES(システムエンジニアリングサービス)は、エンジニアの技術力を常駐という形で提供する契約形態です。担当エンジニアが社内に常駐するため、情シス担当者と連携を取りながら作業を進められます。
ただし、SES契約には、エンジニアの所有権と指揮命令権がSES企業側にあるため注意しましょう。発注側の担当者がエンジニアに直接的な業務指示を出せないため、SES企業の担当者を通じてやり取りする必要があります。
注意点を理解したうえで活用すれば、キッティングのリソース不足を解消するための効果的な手段として活用できます。
関連記事:SESでキッティング作業を依頼できる?費用対効果を高める選択肢とは
派遣会社
PCの入れ替え時期のように、一時的に作業量が増す繁忙期の人員確保には派遣会社の利用が適しています。必要な期間だけ作業スタッフを増員できるため、突発的なキッティングにも有効な手段です。
SESとは異なり、派遣契約であれば自社の担当者が派遣スタッフに直接指示を出しながら作業を進められます。指揮命令権が発注側の企業にあるため、現場の状況にあわせて柔軟な作業管理が可能です。
ただし、派遣契約には最長3年の期間制限があるため、長期的な人材確保には適していません。あくまでも、繁忙期や短期的な依頼における一時的な人員確保の手段として活用するのが効果的です。
関連記事:キッティングは派遣会社に依頼すべき?費用相場やメリットなどを解説
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キッティングサービスを提供する大手企業の魅力は、企画から廃棄まで一貫して依頼できる体制です。しかし、大規模な対応での品質を担保するため、一般的にはサービスが標準化されています。
数台程度の小規模なキッティング作業や企業ごとの個別要件・カスタマイズを依頼する場合は、大手企業では割高になってしまうケースも少なくありません。そこで、自社の状況やリソースにあわせて柔軟な条件・内容で依頼したい場合は、大手企業以外の選択肢(SES・派遣会社・業務委託(フリーランス))を検討するのも効果的です。
とくに柔軟な契約条件で依頼しやすいフリーランスを活用すれば、まずは専門的な作業を任せながら、徐々にノウハウの共有やドキュメント化を進められます。キッティング作業の経験豊富なフリーランスエンジニアを確保するなら、エージェントサービス「クロスネットワーク」にご相談ください。
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- クロスネットワークに登録しているインフラエンジニア参考例
- 各サービスプラン概要
- 支援実績・お客様の声
元エンジニアのWebライター。自動車部品工場のインフラエンジニアとして、サーバー・ネットワークの企画設計から運用・保守まで経験。自分が構築したインフラで数千人規模の工場が稼働している達成感とプレッシャーは今でも忘れられない。




