大量のキッティング作業に追われ、本来注力したい業務や企画に「対応する時間が割けない…」と悩んでいませんか?キッティング作業を効率化する手法としては、ツールやスクリプトの活用が一般的です。
しかし、専門的な知識やスキルが求められるため、従来の手法で対応せざるを得ない状況に陥りがちです。そのような状況では、とくにインフラ構築や言語知識に精通するインフラエンジニアが頼りになります。
そこで今回は、キッティング作業にインフラエンジニアのスキルが求められる理由を解説します。キッティング作業に強い人材を確保する選択肢や方法も解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
なぜキッティングにエンジニアのスキルが役立つのか
テレワークの普及やセキュリティ要件の高度化に伴い、PCやサーバーのキッティング作業は効率化の需要が高まっています。しかし、複雑な作業は社内で対応できない場面もあるため、専門的なスキルをもつインフラエンジニアに依頼するのも有効な手段です。
インフラエンジニアのスキルを活用すれば、キッティング作業を代行するだけでなく、ツールやスクリプトを用いた効率化も実現できます。情シス担当者の作業負荷を軽減しながら、より安全で安定稼働するITインフラの構築に貢献できるでしょう。
効率化や自動化の対応・提案を期待できる
専門知識をもつインフラエンジニアにキッティングを依頼するメリットは、作業の効率化や自動化にかかわる具体的な対応・提案を期待できることです。1台ずつ手作業で設定を行う従来のキッティングは、台数が増えるほどに作業の工数と人手が増加します。
また、設定ミスや対応漏れなど、手作業ではヒューマンエラーが発生する可能性も少なくありません。ツールやスクリプトを用いて作業を自動化する仕組みは、効率化だけでなく人為的なミスの削減にも効果的です。
たとえば「クローニング」と呼ばれる仕組みを導入すれば、マスターイメージにまとめた共通設定を複数の端末に展開できます。
関連記事:キッティングを効率化する方法は?外注時の主な委託先も紹介
サーバーやネットワークの基礎知識を理解している
キッティング作業は、端末のセットアップのみで完結するわけではありません。業務で利用するためには、社内のサーバーやネットワークに正しく接続するための設定も必要です。
サーバーやネットワークの基礎知識をもつインフラエンジニアであれば、インフラ環境の仕組みを理解したうえでキッティングを進められます。たとえば、アカウント情報を管理する「Active Directory」への参加やメールシステムとの連携など、サーバーとのかかわりが深い設定でも業務経験を生かした対応が可能です。
また、IPアドレスを割り振ったりドメインに参加させたりする作業も、ネットワークの仕組みを理解しているほうがスムーズに対応できます。万が一のトラブル発生時に、端末側とインフラ側の原因を切り分けられる判断力もインフラエンジニアならではの強みです。
関連記事:インフラエンジニアの需要が高い理由と優秀な人材の獲得方法を解説
専門家の知見によるセキュリティ対策を期待できる
ITインフラにおいて、セキュリティ対策は企業の信頼を左右する要素です。インフラ構築の知見があるインフラエンジニアは、キッティングの段階から強固なセキュリティ対策の実装をサポートできます。
たとえば、企業が定めるセキュリティポリシーに沿って、以下のような対応が可能です。
- 許可されたユーザーのみファイルにアクセスできる制限をかける
 - PCの盗難や紛失に備えてハードディスクを暗号化する
 - 最新のアップデートや修正プログラム(パッチ)を適用する
 
OSやソフトウェアに存在する脆弱性を放置すると、サイバー攻撃の標的になる危険性があります。マルウェア対策ソフトの導入や不正な通信を遮断するファイアウォール設定など、インフラ全体を見据えたセキュリティ対策もキッティング作業の重要な要素です。
関連記事:ITインフラにおけるセキュリティとは?重要性と企業の被害事例・対策も解説
キッティングの効率化に役立つエンジニアのスキル
キッティング作業を効率化するためには、以下のようなインフラエンジニアのスキルが役立ちます。
- 自動化・スクリプト作成スキル
 - サーバー・ネットワークの構築スキル
 - ドキュメント作成・管理スキル
 
キッティングの品質向上と負担軽減を両立させるためにも、有効なスキルを把握しておきましょう。
自動化・スクリプト作成スキル
インフラエンジニアがもつスクリプト作成のスキルは、反復的なキッティング作業の効率化につながります。とくにシェルスクリプトやPowerShellなどの知識があれば、繰り返し実行する以下のような設定作業やインストールの自動化が可能です。
- システム設定・ユーザー設定の自動入力
 - アプリケーションの自動インストール・設定
 - Windows Updateの自動化
 
設定やインストールの自動化には「スクリプト言語」を用いる場面が多いため、言語知識に長けているインフラエンジニアのスキルを生かせます。また、構築した仕組みを活用すれば、誰が実行しても同じ品質かつ短時間でのキッティングが実現可能です。
関連記事:インフラエンジニアが扱うプログラミング言語とは?習熟度の見極め方も紹介
サーバー・ネットワークの構築スキル
サーバーのキッティング作業では、物理的な筐体のラッキングやファームウェア設定などの幅広い知識も求められます。これらの工程はインフラ全体の安定稼働につながるため、設計段階から提案できるインフラエンジニアが適任です。
また、PCのキッティング作業においても、社内ネットワークとの接続設定や疎通確認の知識が求められます。ネットワーク構築の基礎知識があるインフラエンジニアであれば、DNSやDHCPといった関連設定の理解もスムーズです。
インフラ構築に関連するスキルがあれば、サーバーとの連携やネットワークの疎通確認で発見した不具合の原因を迅速に切り分けられます。トラブルシューティングは、実務での対応経験がないと苦戦しやすい作業です。
ドキュメント作成・管理スキル
誰が作業しても同じ品質を担保するには、キッティングの詳細な手順書・仕様書を作成するスキルが欠かせません。キッティング作業が特定の担当者に偏ってしまうと、不在時に作業が滞る「属人化」の状況に陥ります。
インフラエンジニアの業務では、設計書や手順書を作成する機会も少なくありません。設定項目をまとめたパラメーターシートや資産管理台帳など、キッティング作業においても日々の業務を文書化するノウハウが役立ちます。
とくにトラブル発生時のスムーズな対応を実現するためには、作業履歴や解決策の文書化とチーム内に共有する取り組みが重要です。キッティング作業をチーム内で標準化することで、組織全体の技術力向上とナレッジの蓄積にもつながります。
キッティングに強いエンジニアを確保する方法
キッティング作業の効率化には、専門的なスキルをもつインフラエンジニアの存在が欠かせません。しかし、自社に必要なスキルをもつ人材を、どのように確保すればよいのでしょうか。
エンジニアを確保する方法は、主に以下の3つに分けられます。
- 正社員を採用する
 - 人材派遣会社に依頼する
 - 業務委託(フリーランス)を活用する
 
それぞれにメリットとデメリットがあるため、企業の状況やキッティングの発生頻度にあわせて最適な選択を判断しましょう。

正社員を採用する
社内業務を深く理解する担当者を重視する企業には、正社員の採用が適しています。自社の従業員として迎え入れるため、企業の事業内容や情シスが抱える課題を理解したうえでキッティングに取り組む体制を構築することが可能です。
ただし、正社員にはキッティング作業の業務量にかかわらず、継続的な採用・教育コストや人件費が発生します。年間をとおしてキッティング作業の頻度が低い場合は、専任の正社員を採用するよりも必要に応じて外部リソースを確保するほうが効果的です。
関連記事:キッティング作業は正社員が担当すべき?外部委託の判断基準も解説
人材派遣会社に依頼する
キッティング作業の繁忙期に人員を確保したい場合は、人材派遣会社の活用も効果的です。人材派遣会社の活用には、自社で採用活動を行うよりもスムーズにインフラエンジニアを確保できるメリットがあります。
また、報酬の支払い基準が労働時間に基づくため、人件費を固定費ではなく業務量に応じた「変動費」として管理できるのも特徴です。必要な期間のみ効率的にリソースを確保できるため、業務量に応じてコストを柔軟に管理できます。
ただし、派遣会社によって在籍するエンジニアのスキルレベルにばらつきがあるため、自社が求める要件とのミスマッチを防ぐ対策が必要です。派遣契約における注意点については、関連記事を参考にしてみてください。
関連記事:キッティングは派遣会社に依頼すべき?費用相場やメリットなどを解説
業務委託(フリーランス)を活用する
業務委託(フリーランス)を活用すれば、キッティング作業の期間にあわせて人材を柔軟に確保できます。とくに専門分野の最新技術やニッチなスキルを求める場合は、フリーランスのインフラエンジニアを活用するのが効果的です。
専門知識を要するキッティング環境の構築には、サーバーやネットワークなどの基礎知識をもつインフラエンジニアが対応するケースもあります。とくに、クラウド環境との連携やVPN設定などを伴う場合は、インフラエンジニアのスキルが業務の効率化に欠かせません。
また、フリーランス専門のエージェントを活用すれば、自社の要件にマッチする人材を効率的に見つけられます。契約手続きやフォローアップの支援も依頼できるため、業務委託が初めての企業にも便利なサービスです。

費用対効果や柔軟性を重視するならフリーランスが効果的
費用対効果と柔軟性を重視するなら、キッティングに強いエンジニアを確保する方法としてフリーランスの活用がとくに有効です。
正社員採用には継続的な人件費、人材派遣には契約上の制約のように懸念すべきデメリットも少なくありません。一方でフリーランスには、以下のように業務量や期間に応じてリソースやコストを調整しやすいメリットがあります。
- 外部リソースを必要な期間だけ確保できる
 - 社内リソースを本来のコア業務に割り当てられる
 - 採用・教育にかかるコストを削減できる
 
外部リソースを必要な期間だけ確保できる
フリーランスのインフラエンジニアを活用するメリットは、外部リソースを必要な期間だけ確保できる柔軟性です。新入社員の入社時期や全社的なPCの入れ替え時期など、企業のキッティング作業は特定の期間に集中する傾向があります。
繁忙期にあわせて正社員を採用したり、代行業者に短期間の作業を依頼したりする方法では、コストや調整負担が大きくなりがちです。一方でフリーランスであれば、キッティング作業の期間や規模にあわせて柔軟な契約を結べます。想定よりも作業量が増えた場合や早期に完了した場合など、状況に応じて柔軟な人員調整が可能です。
社内リソースを本来のコア業務に割り当てられる
キッティング作業をフリーランスに任せることで、情シス担当者のリソースを本来注力すべきコア業務に割り当てられます。
とくに企業のITインフラに精通するインフラエンジニアの強みは、専門知識が必要なキッティング作業に対応できるスキルです。たとえば、マスターイメージの作成(クローニング)や効率化するためのスクリプト導入など、社内の担当者が業務負荷を感じやすい作業も一任できます。
業務の複雑さが増しているキッティング作業だからこそ、外部のリソースを効果的に活用する計画性が求められています。
採用・教育にかかるコストを削減できる
正社員採用と比べて採用や教育にかかるコストを削減できるメリットも、フリーランスのインフラエンジニアを活用するうえで見逃せません。正社員の採用活動には、以下のように多岐にわたるコストが発生します。
- 求人媒体への掲載費用
 - 人材紹介会社への手数料
 - 面接に費やす時間
 
また、採用後には社会保険料や福利厚生費といった間接費、企業の業務フローを教えるための研修コストなどもかかります。とくにキッティング作業の効率化を求める場合は、専門知識をもつ人材の採用難易度の高さを想定すべきです。
一方でフリーランスの人材を活用すれば、正社員の採用活動に伴う一連のコストを大幅に削減可能です。専門知識のある即戦力を確保することで、契約後すぐにキッティングの実務を開始できるでしょう。
キッティングエンジニアの選定でミスマッチを防ぐポイント
業務委託でキッティング担当のインフラエンジニアを探す場合は、以下のようにミスマッチを防ぐためのポイントを把握しておきましょう。
- エンジニアのスキルと対応範囲を確認する
 - 過去の対応実績や類似案件の経験を確認する
 - セキュリティ体制・管理ポリシーを確認する
 
自社の求めるスキルや業務内容とマッチしなければ、外部のインフラエンジニアを確保しても期待した成果は得られません。
エンジニアのスキルと対応範囲を確認する
スキルのミスマッチを防ぐためには、対応可能な業務範囲の確認が欠かせません。まずは自社で依頼したいキッティング作業の内容と範囲を具体的に洗い出しましょう。
たとえば、社内インフラとの連携を任せたい場合は、サーバーやネットワークのようにITインフラにかかわる基礎知識が必要です。端末単体の設定だけでなく、トラブルの切り分けに対応した経験があるかどうかも確認しておきましょう。
また、キッティングの効率化・自動化を実現するためには、本記事で解説したようにスクリプトの作成に強みのあるインフラエンジニアが適任です。
過去の対応実績や類似案件の経験を確認する
過去の対応実績や類似案件の経験を確認することも、ミスマッチを防ぐうえで重要な観点です。自社が想定している規模や納期を伝え、同様の案件の担当経験があるかどうかを確認しましょう。
また、自社と同じ業界や類似のシステム環境でキッティングした経験があれば、業務のスムーズな理解と進行を期待できます。とくに業界特有の要件やツールがある場合は、経験者のほうが情報共有のコミュニケーションコストがかかりません。
フリーランスのエージェントサービスを活用する場合は、公式サイトに掲載されている導入事例や評判などを参考に信頼できる委託先かどうかを見極めましょう。
セキュリティ体制・管理ポリシーを確認する
業務データや各種システムへのログイン情報など、キッティング作業では機密情報にふれる機会が多々あります。フリーランスのエージェントサービスを活用する場合は、以下のように運営会社のセキュリティ体制・管理ポリシーを確認しておくと安心です。
- キッティング作業時の端末の取り扱い・セキュリティ対策
 - 第三者認証の取得状況(ISMSやプライバシーマークなど)
 - 情報漏洩防止やデータ消去のルール
 
預けた端末の保管方法や作業場所の物理的なセキュリティ対策など、契約前に具体的な運用方針について確認しておきましょう。
キッティングに強いエンジニアを探すならクロスネットワークがおすすめ
キッティング作業の効率化・自動化には、インフラエンジニアならではのスキルが役に立ちます。とくに言語知識やプログラミングスキルは、定型的な作業を効率化するためのバッチやスクリプト処理の作成に大きく貢献します。
また、インフラエンジニアの人員を確保する方法は、正社員採用や派遣会社などさまざまです。とくに企業の状況やリソースにあわせて柔軟に依頼するなら「業務委託(フリーランス)」を検討してみましょう。
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				元エンジニアのWebライター。自動車部品工場のインフラエンジニアとして、サーバー・ネットワークの企画設計から運用・保守まで経験。自分が構築したインフラで数千人規模の工場が稼働している達成感とプレッシャーは今でも忘れられない。
					