ゲーム会社のサービス運用において、サーバーインフラの安定性はユーザー体験(UX)に直結する重要な要素です。しかし、リリース直後の急激なトラフィック増やリアルタイム通信の制御など、ゲーム特有の高度な技術要件に対応できるインフラエンジニアの採用難易度が高まっています。
そこで本記事では、ゲーム会社のインフラ構築・運用に求められるインフラエンジニアのスキルを解説します。さらに外部委託時のポイントや単価相場も解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
ゲーム会社のインフラエンジニアに求められる専門スキル
一般的なWebサービスと異なり、ゲーム会社のシステムには独特な技術要件が存在します。とくに近年主流となっているオンラインゲームでは、プレイヤーの操作に対する即応性やシステムの安定性が欠かせません。
そのため、ゲーム会社で働くインフラエンジニアには、単純なサーバー管理だけでなくゲーム特有の設計や運用スキルが求められます。
オンラインゲーム特有の負荷分散とリアルタイム通信
オンラインゲームの前提として「多数同時接続」「常時リアルタイム通信」が欠かせません。一般的なWebサービスと比べて、高度な負荷分散が求められます。
また、プレイヤーの位置情報やステータス情報などがリアルタイムに更新されるため、レイテンシー(※)の低下がユーザー体験(UX)に直結します。WebSocketやUDPなど、低遅延を実現するための通信方式・プロトコルの理解が必要です。
※レイテンシーとは、データ転送や処理の要求を出してから、実際に結果が返ってくるまでに発生する遅延時間・待ち時間のこと。
ユーザーのマッチングサーバーやゲームロジックサーバーなど、ゲームのインフラには単純なWebサーバーよりも複雑なロードバランシングが求められます。
イベントにおけるトラフィック急増時の対応力
以下のように通常時の数倍〜数十倍のアクセスが瞬間的に発生するタイミングには、アクセス負荷に対する耐性設計と事前オペレーションが重要です。
- ゲーム内イベント・キャンペーン時
- ガチャ更新時
- メンテナンス明け
キャパシティプランニングとして必要な対処は、オートスケーリング(自動拡張)の設定だけではありません。サーバー台数やリソースを増やしておく「ウォームアップ(※)」のように、企画・設計時の予測や準備能力も問われます。
※ウォームアップとは、事前に一定のトラフィック増加を見込み、あらかじめサーバーや関連リソースをスケールアウトしておく対応です。
24時間365日の監視体制と迅速なメンテナンス対応
ゲームサービスは、基本的には「停止できないサービス」です。ユーザーの主な活動時間は一般的な企業の営業時間外となるため、深夜や土日祝日を含む24時間365日の運用が求められます。
また、サーバーダウンが即座にSNSでの炎上やユーザー離れにつながりやすいため、アラート検知から一次対応までのスピードが極めて重要です。AWS CloudWatchをはじめとする監視ツールの活用だけでなく「どの項目にどの閾値でアラートを設定するか」といった運用・設計の知見も求められます。
ゲームサーバーでは定期的なメンテナンスも発生するため、プレイヤーへの影響を最小限に抑える運用ルールや体制構築も必要です。
ゲーム会社のインフラエンジニアを外部委託するポイント
新規タイトルのリリースや大規模イベントを控えるゲーム会社において、優秀なインフラエンジニアの確保はプロジェクトの成功を左右する課題です。しかし、専門的なスキルをもつ人材は市場価値が高く、正社員採用だけでは必要な人員を集められないケースも少なくありません。
そのような状況下で有効な解決策となるのが、フリーランスやSESといった外部委託の活用です。ゲーム会社ならではの要件を満たし、外部委託を成功させるためのポイントを解説します。
ゲームインフラの構築・運用実績が豊富かどうか
まずはオンラインゲーム特有の負荷特性・通信要件を理解しているかどうかを確認しましょう。候補者の経歴や実績から、以下のようなゲーム特有の事例や観点をチェックします。
- 過去の構築例
- 運用していたタイトルの規模
- ピーク時の同時接続数
実績や経験のあるインフラエンジニアであれば、イベント時や障害発生時の想定ケース・対処方法などを熟知しています。開発チームが気づきにくいリスクを予見しながら、先回りした対策と提案を期待できるでしょう。
土日祝日や夜間の障害対応が可能かどうか
候補者の稼働可能な日時は、採用判断の重要な要素です。とくにオンラインゲームは、深夜帯のトラブルもユーザーに影響を与える可能性があります。
しかし、社内の正社員だけで24時間365日の監視体制を維持するのは、労務管理やコスト面で限界があるはずです。複数のエンジニアでシフトを組むようなチーム体制を整えるため、土日祝日や夜間に対応できるかどうかも確認しておきましょう。
最新の技術やノウハウを取り入れているかどうか
ゲームにおけるインフラ環境は、クラウドやコンテナ化などの比較的新しい技術が取り入れられています。技術やノウハウがアップデートされる頻度も高いので、インフラエンジニア自身も最新情報をキャッチアップする姿勢が欠かせません。
たとえば、CI/CDパイプラインの構築やIaC(Infrastructure as Code)による構成管理など、構築・運用作業を効率化する仕組みづくりも重要な観点です。開発チーム(サーバーサイドエンジニア)が開発しやすい環境を提供できるエンジニアは、ゲーム会社にかかわらず重宝されています。
ゲーム会社で活用できるインフラエンジニアの推奨資格
インフラエンジニアのスキルシートや職務経歴書を見るだけでは、ゲーム開発の現場で活躍できるかどうかの判断は容易ではありません。
そのようなときには、エンジニアの保有資格が役に立ちます。資格は知識や技術の客観的な裏付けとなるため、採用や委託後のミスマッチを防ぐ効果的な判断材料です。ここからは、以下の観点でゲーム会社のインフラ構築に親和性が高い資格を解説します。
- データベース関連資格
- クラウドサービスの認定資格
- Kubernetes技術者認定
データベース関連資格
ゲームのデータベースは高負荷・大容量であり、即時性も求められます。とくにガチャ履歴やログデータなどの大量データを扱うゲーム運営では、データベースの設計・チューニング能力が欠かせません。
そこで、以下のようなデータベースの関連資格は、インフラエンジニアの実務スキルを測るうえで有効な指標です。
| 主な資格 | 概要 |
|---|---|
| ORACLE MASTER | Oracle Databaseの管理スキルを証明する資格 |
| OSS-DB技術者認定 | オープンソースのデータベース(PostgreSQLなど)に 関連する知識を証明する資格 |
クラウドサービスの認定資格
現代のゲームインフラは、クラウド環境でスケールさせるケースが増えています。クラウドサービスを扱うノウハウがあるエンジニアは、即戦力としての活躍が期待できる存在です。
以下の主要なクラウドサービスでは、知識やスキルの証明となる認定資格を提供しています。
とくに複数の拠点(データセンター)にクラウドサービスを構築する「マルチリージョン対応(※)」には、体系的な知識を学んだインフラエンジニアの確保が欠かせません。
※マルチリージョンとは、障害によるサービス停止や低遅延の対策として効果的な手法です。
Kubernetes技術者認定
マイクロサービス化(※)が進むゲームサーバー運用において、Kubernetesのスキルは重要度が高まっています。とくにCKA(管理者向け)やCKAD(開発者向け)は実技試験であるため、ペーパーテストよりも実務に近い操作能力が保証される資格です。
※マイクロサービスとは、大規模なアプリケーションを機能ごとに独立したサービス群に分割して構築する設計手法です。
Kubernetes技術者認定の試験は、用途に応じて以下の4種類に分かれています。
- 認定Kubernetes管理者(CKA-JP)
- 認定Kubernetesクラウドネイティブアソシエイト(KCNA-JP)
- 認定Kubernetesアプリケーション開発者(CKAD-JP)
- 認定Kubernetesセキュリティスペシャリスト(CKS-JP)
【契約形態別】インフラエンジニアの単価相場
| 雇用形態 | 平均年収・単価相場 |
|---|---|
| 正社員 | 平均年収:752.6万円 |
| SES | 費用相場:45万〜85万円/月 |
| フリーランス | 単価相場:30万〜100万円/月 |
上記は、インフラエンジニアの平均年収や費用・単価相場をまとめた表です。一般的なインフラエンジニアの相場であり、ゲーム分野に特化したものではありません。
いずれの雇用形態でも、エンジニアのスキルレベルや経験により、年収や単価の相場に差が生じます。あくまでも一般的な目安として捉えてください。
関連記事:【企業向け】インフラエンジニアの年収目安と低コストで運用する方法を解説
関連記事:フリーランスのインフラエンジニアと契約した場合の単価相場とは?|単価交渉のコツも解説
また、フリーランスの単価は、依頼する業務範囲や稼働日数によって大きく変動します。正社員やSESではエンジニアの報酬に含まれない間接費用も発生するため、単純な単価比較ではなくトータルコストで判断するのが効果的です。
夜間・休日対応や高い専門性が求められるゲーム会社向けの案件では、一般的なインフラ案件よりも相場が上振れするケースがあります。単価相場の詳細については、以下の関連記事も参考にしてみてください。

費用対効果を重視するならフリーランス活用が効果的
インフラエンジニアの正社員採用は、以下の理由によって難易度が高まっています。
- DXの推進によってインフラエンジニアの需要が高まっている
- 柔軟な働き方を求めてフリーランスに転向するエンジニアが増えている
即戦力となる人材を迅速に確保するなら、フリーランスの活用を検討するのが効果的です。
関連記事:インフラエンジニアの採用が難しい理由と優秀な人材を獲得する方法を解説
専門的なスキルがある人材を確保できる
フリーランスのエンジニアには、複数の企業やプロジェクトに参画した経験のある人材が豊富です。たとえば、クラウド領域で注目されるIaCやコンテナ技術のように、専門性のあるノウハウを学んでいる人材も少なくありません。
そのため、特定のゲームインフラ領域に強い即戦力を、ピンポイントで採用できるメリットがあります。「AWSのインフラを構築したい」「大規模データベースの設計を見直したい」といった具体的な課題を提示することで、解決策をもつインフラエンジニアの確保を実現しましょう。
比較的スムーズにアサインできる
フリーランスの活用には、即戦力人材を短期間で確保しやすいメリットもあります。とくにエージェントサービスを活用すれば、最短2〜3営業日の短期間でリソースを確保できる可能性もあります。
正社員(転職者)の募集から採用までにかかる期間は、一般的に1週間〜2か月ほどが目安です。「急ぎでインフラを構築したい」「イベント前に人手を追加したい」など、短期間でリソースを確保したい企業にはフリーランスの活用が適しています。
(参考:転職動向調査2025年版(2024年実績)|マイナビ)
柔軟な契約条件で委託できる
フリーランスのインフラエンジニアであれば、プロジェクトに必要な期間だけ契約を結べます。プロジェクト単位だけでなく、テストや運用といったフェーズ単位での依頼も可能です。
プロジェクトの進捗に応じて、契約期間の延長・縮小を柔軟に調整できます。無期雇用が基本となる正社員とは異なり、事業の変化にあわせて柔軟な組織体制を構築しやすいのも特徴的です。
また、エンジニアに支払う報酬は、業務内容や期間に応じて設定できる変動費として扱えます。プロジェクトの予算にあわせてコストを最小限に抑えやすいため、費用対効果を重視したい企業にも有効です。

ゲーム会社のインフラエンジニア確保はクロスネットワークがおすすめ
ゲーム会社のインフラエンジニアには、業界特有の専門スキルが求められます。とくにユーザーの利用時間が休日や夜間に集中しやすいオンラインゲームでは、サービスの停止やメンテナンスによる影響を最小限に抑える運用の工夫も必要です。
しかし、専門性が求められるインフラエンジニアは、ゲーム会社にかかわらず正社員の採用難易度が高まっている状況にあります。そこで、専門的なスキルをもつフリーランスの活用が効果的です。
フリーランス専門のエージェントサービス「クロスネットワーク」では、専門スキルに優れたインフラエンジニアを迅速にマッチングいたします。プロジェクト単位でも柔軟に対応しており、初めての業務委託を検討する企業でも安心です。
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- クロスネットワークの特徴
- クロスネットワークに登録しているインフラエンジニア参考例
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- 支援実績・お客様の声
元エンジニアのWebライター。自動車部品工場のインフラエンジニアとして、サーバー・ネットワークの企画設計から運用・保守まで経験。自分が構築したインフラで数千人規模の工場が稼働している達成感とプレッシャーは今でも忘れられない。
