
インフラエンジニアを採用しようとしても、「なかなか応募が来ない」「採用しても早期離職やミスマッチが起こる」といった悩みを抱えていませんか?原因は、募集要項の内容や書き方にあるかもしれません。
求職者にとって募集要項は、企業と職務内容を知る最初の接点。少ない情報や伝わりにくい文面だと、応募の段階で離脱される可能性が高くなります。
そこで本記事では、インフラエンジニアの募集要項を作成する方法や、求職者に刺さる表現・記載項目の例文など詳しく解説します。魅力的な募集要項で採用活動を成功させましょう。
インフラエンジニア採用で募集要項が重要な理由
ここでは、インフラエンジニアの採用で「なぜ募集要項の記載が重要なのか」を解説していきます。
候補者とのミスマッチを防ぐため
インフラエンジニアは業務の幅が広く、「設計」「構築」「運用・保守」など、各フェーズで求められるスキルが異なります。業務内容や期待する役割を曖昧に記載すると、求職者との間に認識のズレが生じ、入社後のミスマッチにもつながりかねません。
たとえば、求職者が「クラウド設計に関われる」と期待していたにもかかわらず、実際は「オンプレミスの運用が中心業務」だった場合、早期離職のリスクも高まります。
明確な募集要項を作成することで、「どんな人材が欲しいのか」「どんな業務を任せたいのか」を正しく伝えられます。企業と求職者、双方が納得のいくマッチングにするためにも、決して募集要項を適当に書かないようにしましょう。
他社と差別化するため
インフラエンジニアの人材市場は競争が激しく、魅力的な人材はすぐに他社に流れます。自社の求人に注目してもらうには、他社との違いや独自性のアピールが欠かせません。
たとえば「フルリモートOK」「最先端のクラウド技術を活用」といった情報を記載しておくと、求職者の目に留まりやすくなります。言い換えれば、募集要項は会社の「魅せ方」を左右するマーケティングツールです。強みを積極的に盛り込み、競合他社との差別化を図りましょう。
応募率を向上させるため
求職者の多くは、短時間で複数の求人情報を比較しています。情報が整理されている求人ほど「わかりやすい」「応募しやすい」と感じる傾向があるため、明確かつ魅力的な募集要項にしていきましょう。
たとえば「フルリモート可」「残業月10時間以内」など、働くメリットが一目で伝わる記載があると、興味を持ってもらえる可能性が高まります。加えて待遇や福利厚生も記載しておくと、「安心して働ける職場」と認識してもらいやすいです。募集要項に魅力を載せ、候補者の応募意欲を後押ししていきましょう。
▼関連記事:インフラエンジニア採用が難しい理由と成功する企業の採用戦略を解説
インフラエンジニアの募集要項に含めるべき情報
インフラエンジニアの募集要項は、以下のように作成していきましょう。
項目 | 記載例 |
想定給与 | 60万円〜80万円 |
必須スキル |
|
尚可スキル |
|
働く場所 | フルリモート |
雇用形態 | 業務委託 |
勤務条件 / 働き方 | 週5日(平日)10:00〜19:00 ※月2回本社へ出社あり |
精算幅 | 140-180 |
次の章では、インフラエンジニアの募集要項に含めるべき情報についてさらに詳しく解説していきます。
業務内容・雇用形態
インフラエンジニアは業務領域が幅広いため、具体的な仕事内容を募集要項に明記していきましょう。たとえば「AWSを活用したインフラ設計・構築」や「オンプレミス環境でのサーバー運用」など、担当フェーズや使用技術を記載すると求職者の理解が深まります。
また、雇用形態(正社員・契約社員・派遣社員・フリーランス)も明確に記載し、求職者が「自分の求めるポジションでの採用か否か」が判断しやすいよう、情報を載せていきましょう。
契約期間・勤務時間・勤務地
働き方の柔軟性を求める人が多いことから、契約期間や勤務時間、勤務地の記載も欠かせません。「フルリモート可能」や「コアタイムありのフレックスタイム制」、「週3日勤務可」といった情報は、求職者の目を引きます。
また、契約社員やフリーランスを採用する場合は、プロジェクト単位の期間や延長の可能性なども明記しておくといいでしょう。
必須スキル・経験
インフラエンジニアの募集要項では、必須スキルや経験を明確に記載します。「Linuxサーバーの設計・運用経験3年以上」「AWSまたはAzureの運用経験」など、求めるスキルを具体的に提示しましょう。
この点が曖昧だと、応募者が必要なスキルを満たしているのかが不安になり、応募を避けてしまう可能性があります。できるだけ具体的に必須スキルや経験を明記し、候補者とのマッチング率を高めましょう。
賃金・待遇
給与や待遇の記載は、応募者にとって重要なポイントです。「年収500万円~700万円」「昇給年1回、賞与年2回」など、具体的な給与額や福利厚生について記載していきましょう。
また「リモートワーク手当」や「住宅手当」など、独自の福利厚生を記載すると競合他社と差別化できます。応募者が安心して応募できるよう、待遇面を明らかにしましょう。
募集者の氏名または名称
「募集者の氏名または名称(企業名)」を明記することも忘れてはいけません。
特に募集する企業の情報がなければ、求職者に不信感を与える恐れがあります。「株式会社○○」「株式会社○○ HR部」など、運営元を明確に記載しましょう。
インフラエンジニアを惹きつける募集要項の作り方3つのポイント
以下では、インフラエンジニアを惹きつける募集要項を作る際のポイントについて解説していきます。
1. 選考フローを提示する
「書類選考 → 一次面接(オンライン)→ 最終面接(対面)」のように、選考の流れや回数、実施方法などを載せておきましょう。事前に全体像がわかると求職者の不安が軽減し、応募への心理的なハードルを下げられます。
また各ステップで重視するポイント(例:「一次面接では技術スキル中心、最終面接ではカルチャーフィットを確認」)を添えた募集要項にすると、より丁寧で誠実な印象となります。
2. 会社独自の取り組みやカルチャーを伝える
自社の魅力や独自性の打ち出しは、他社との差別化になります。特に「働き方やカルチャーに共感してもらえるか否か」は重要なポイントです。
たとえば、「SlackやNotionを活用した柔軟な働き方」や、「エンジニア主導の月例勉強会を実施」といった、普段のコミュニケーションの形や、スキルアップの支援制度を記載すると働くイメージをリアルに伝えられます。
また、「開発チームでは新しい技術の導入に積極的」「ピアボーナス制度で感謝や貢献が可視化される」といった社内カルチャーを紹介するのも効果的です。働く環境や価値観を具体的に示し、応募意欲を向上させていきましょう。
3. エンジニアの興味を引く表現やワードを入れる
募集要項には、エンジニアの興味関心を引くキーワードや文言を意識的に盛り込みましょう。たとえば、「クラウドネイティブな環境(AWS / GCP)」や「IaC(Infrastructure as Code)」、「コンテナ運用(Docker / Kubernetes)」などのキーワードは、技術志向のエンジニアにとって関心の高い要素です。
さらに、「設計から構築・運用まで一貫して携われる」「技術選定やアーキテクチャ設計にも関与可能」など、裁量や成長機会が感じられる表現を添えると、能動的に働きたい人材へのアピールになります。
業務内容をただ記載するのではなく、「どんな技術に触れられ、どんな挑戦ができるか」を明示すると、より多くのエンジニアの興味を惹きつけられるでしょう。
【職種・分野別】インフラエンジニア募集要項の例
ここでは、職種・分野別でインフラエンジニア募集要項の例文を紹介します。
ネットワークエンジニアの場合
ネットワークエンジニアの募集では、ネットワークの環境や使用機器、プロジェクトの規模感を伝えていきましょう。資格や運用経験を明示すると、求職者が自己判断しやすくなります。記載例は以下の通りです。
項目 | 内容の例 |
業務内容 |
|
必須スキル |
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PR文 | 大手小売業の全国拠点、ネットワークの刷新プロジェクトに携われます。BGPやL2/L3スイッチの運用経験を活かせる環境です。 |
▼関連記事:ネットワークエンジニアに必要な言語とは?人材採用のポイントも解説
サーバーエンジニアの場合
サーバーエンジニアは、オンプレミスや仮想環境の知識が求められるケースが多いため、対象OSや使用ツール、規模感を具体的に記載しましょう。自動化や運用効率化への取り組みも記載できると効果的です。
項目 | 内容の例 |
業務内容 |
|
必須スキル |
|
PR文 | 国内最大級のECサイトのサーバーインフラを支えるポジションです。スピード感ある現場でスキルを磨きましょう。 |
▼関連記事:サーバーエンジニアとネットワークエンジニアの違いとは?必要なケースも解説
クラウドエンジニアの場合
クラウドエンジニアの募集では、使用するクラウドサービス(AWS、GCP、Azureなど)の明記が基本です。IaCやDevOpsの文脈にも関わるため、モダンな技術キーワードも積極的に盛り込みましょう。
項目 | 内容の例 |
業務内容例 |
|
必須スキル例 |
|
PR文例 | スタートアップ支援に特化したクラウド基盤の立ち上げに関われます。モダンなインフラ環境をゼロから構築できます。 |
▼関連記事:ネットワークエンジニアとクラウドエンジニアの違いと課題別の適任者を解説
セキュリティエンジニアの場合
セキュリティエンジニアの募集要項では、具体的なセキュリティ体制(SOC/CSIRTなど)や対応する脅威の種類を記載すると、経験者の興味を引きやすくなります。企業の守り手としてのミッション感を伝えるのもポイントです。
項目 | 内容の例 |
業務内容例 |
|
必須スキル例 |
|
PR文例 | 上場企業グループのセキュリティ体制を強化する重要ポジションです。自社開発プロダクトの守り手として活躍できます。 |
【採用ターゲット別】インフラエンジニア募集要項の例
インフラエンジニアといっても、採用ターゲットによって訴求ポイントは大きく異なります。ここでは、「未経験者」「新卒・第二新卒」「経験者」「社内SE」、それぞれのターゲット別に効果的な記載例を紹介します。
未経験者募集の場合
未経験者を募集する場合、「入社後にどんな研修があるのか」「どこまでの知識があれば応募できるのか」を明記しましょう。技術的な要件よりも、学ぶ意欲やポテンシャルを重視する旨を記載します。
項目 | 例文 |
業務内容 | ネットワークやサーバーの保守・運用業務の補助からスタートします。経験豊富な先輩がOJTでサポートしますので、未経験でも安心です。 |
歓迎する人物像 | ITに興味があり、学ぶ意欲のある方。業務を通じて専門スキルを身につけたいと考えている方。 |
研修制度 | 社内勉強会、外部研修、資格取得支援制度など充実した教育環境をご用意しています。 |
このように、育成環境やフォロー体制をしっかり伝えることがポイントになります。
新卒・第二新卒募集の場合
新卒・第二新卒をターゲットとする場合、キャリアパスや成長支援に関する情報が重要です。「社会人経験がなくても活躍できる」という安心感を持たせ、明るい未来が想像できるよう文面を工夫しましょう。
項目 | 例文 |
業務内容 | まずは簡単なシステム運用・監視業務からスタートし、インフラの基礎を学んでいただきます。将来的には設計・構築も担当できるキャリアプランをご用意しています。 |
歓迎する人物像 | ITやネットワーク分野に興味があり、成長意欲がある方を歓迎します。 |
キャリアサポート | 若手社員向けのメンター制度、キャリア面談、定期的なスキル研修など、成長を後押しする体制を整えています。 |
中途採用・経験者募集の場合
経験者向けの募集では、具体的な技術スタックや参画するプロジェクトの魅力を訴求します。スキルを活かせる環境がある点を、しっかり打ち出しましょう。職務範囲や技術の詳細は、できる限り具体的に記載するようにします。
項目 | 例文 |
業務内容 | AWSを利用したクラウド基盤の設計・構築から運用まで、幅広い業務に携わっていただきます。モダンな環境でスキルを最大限に発揮できます。 |
必須スキル | Linuxサーバーの運用経験、ネットワーク設計の知識、クラウドインフラ構築経験(AWS、Azureなど) |
プロジェクトの特徴 | 金融・医療・教育など、社会的インパクトの大きい案件に多数関わっています。最先端の環境で、より高みを目指してみませんか? |
社内SE募集の場合
社内SEの場合、社内システムの運用やヘルプデスク的な業務も含まれるケースが多いため、マルチタスクな働き方に共感してもらえる表現が有効です。
項目 | 例文 |
業務内容 | 社内インフラの運用・保守(ネットワーク、サーバー、クラウド環境など)に加え、社員からのITに関する問い合わせ対応も担当します。 |
求めるスキル | Windows/Macの基本的な知識、社内SEや情報システム部門での業務経験があれば歓迎します。 |
社内の雰囲気 | 部署を横断してコミュニケーションを取ります。風通しの良い職場です。 |
フリーランスのインフラエンジニアを活用するメリット
採用ターゲットに応じて募集要項を設計すると、より精度の高いマッチングが可能です。しかし、すぐに人材が必要なケースや、限られたリソースでプロジェクトを進めなければいけない場面では、社員だけの対応では難しいこともあるでしょう。
そんな時は、フリーランスのインフラエンジニアへの業務委託がおすすめです。以下では、フリーランスのインフラエンジニアを活用するメリットについて解説します。
必要なタイミングですぐに即戦力人材を確保できる
中途採用では、求人公開から内定までに数週間〜数ヶ月かかるのが一般的です。しかしフリーランスであれば、すばやく業務に着手できます。
特に実務経験が豊富な外部人材の場合、キャッチアップがスムーズです。急遽立ち上がったプロジェクトや、突発的な障害対応が求められるシーンでも、即戦力として能力を発揮するでしょう。
契約形態や契約期間など柔軟に設定できる
フリーランスとの契約は、業務内容や稼働時間、契約期間などを柔軟に設計できる点が特徴です。たとえば、「月20時間程度のアドバイザリー業務」や「繁忙期の3ヶ月間だけ常駐」といった条件でのアサインも可能です。
フルタイム雇用が前提の正社員採用と比べ、業務量に応じたピンポイントな依頼がしやすく、長期的な雇用リスクを回避できます。必要なときに必要な分だけリソースを確保できる点が大きな魅力です。
社内にないスキルや知見を取り入れられる
フリーランスのインフラエンジニアは、それぞれが独自のキャリアや技術スタックを持つスペシャリストです。社内にないスキルセットを補完する存在として活躍します。
そのため、最新技術や特殊なナレッジを実務レベルで活用できるケースも珍しくありません。専門性の高いスキルや知見を取り入れることで、社内メンバーの技術レベル向上や、プロジェクト全体の品質向上にもつながります。さらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
▼関連記事:インフラエンジニア案件をフリーランスに業務委託する方法とメリットを解説
インフラエンジニアの募集要項作成でお悩みなら、クロスネットワークへご相談ください
インフラエンジニアの採用には、明確で魅力的な募集要項にする必要があります。業務内容から必要なスキル、待遇に至るまで、求職者が期待する情報を的確に伝えていきましょう。
「フリーランスを募集したいけれど、どのように募集要項を作成すべきかわからない」と悩む採用担当者の方は、フリーランスエンジニア専門のエージェント『クロスネットワーク』にご相談ください。
クロスネットワークとは、企業とインフラエンジニアとのマッチングに特化したエージェントサービスのことです。厳正な審査を通過した、高度な技術力を持つインフラエンジニアが多数登録しています。豊富な人材プールの中から、企業文化やプロジェクトの特性に合った人材をご紹介いたします。
「週2〜3日」「フルリモート勤務」など、プロジェクトの規模や作業量に応じてリソースを効率的に活用できます。契約後のサポート体制も充実しているため、未然にトラブルを防ぎつつ、安心してサービスをご利用いただけます。
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