サーバーエンジニアはITインフラの要を支える専門職です。とくに、近年はDXの推進やクラウド化で、サーバーの設計・構築・運用を担える人材の重要性が高まっています。自社でも人材を確保したいけれど、教育コストの少なさや人件費の面で、派遣を活用できないか検討している企業も多いでしょう。
本記事では、サーバーエンジニアを派遣で確保するメリット・デメリット、派遣会社の選び方、契約の流れなどを解説します。あわせて、派遣会社が自社の採用要件にマッチしない場合の代替手段として、フリーランスの有効性についても解説します。
サーバーエンジニア派遣の概要
サーバーエンジニア派遣とは、人材派遣会社に登録しているサーバーエンジニアを一定期間だけ企業に派遣するサービスです。派遣会社が雇用するエンジニアが契約先の企業で指揮命令を受けながら、サーバーの設計・構築・運用・保守といった業務を行います。
正社員採用と比較して短期間で即戦力を確保しやすい点が特徴で、プロジェクトを迅速に進めたい企業にとって効果的な人材活用方法です。費用相場や正社員採用との違いを理解し、プロジェクトの成功につなげることが重要です。
サーバーエンジニアの費用相場
派遣サーバーエンジニアの平均時給は2,600円程度で、月額換算すると約42万円になります。
ただしスキルレベルによって料金は変動することに注意が必要で、未経験〜3年未満だと相場より低くなる傾向にあります。一方、システムの企画・設計のような上流工程だと時給3,000円を提示する企業も少なくありません。
また、派遣料金には30〜40%のマージンが含まれ、地域によっても相場が異なります。専門資格をもつエンジニアはさらに単価が上がる可能性があります。
正社員採用との違い
比較項目 | 派遣 | 正社員 |
採用スピード | 最短数週間で人材確保が可能 | 数か月かかる |
コスト構造 | 時給制の変動費 | 年収+社会保険料+福利厚生費 |
採用プロセス | 派遣会社が選考からマッチングまで代行 | 自社で求人掲載、書類選考、面接、内定まですべて実施するケースもある |
雇用責任の所在 | 派遣会社が雇用主 | 自社が直接雇用 |
契約期間 | 3年を上限とした有期契約 | 無期雇用が基本 |
柔軟性 | プロジェクト単位での人員調整が可能 | 長期的な人員計画が必要 |
派遣と正社員採用では採用スピードとコスト構造が根本的に異なります。
おおきな違いは採用スピードで、正社員雇用には数か月を要するケースがありますが、派遣だと数週間で確保することも可能です。コスト面では派遣は時給制の変動費、正社員は年収に社会保険料や福利厚生を加えた固定費がかかります。
また、正社員は自社で求人掲載から内定まで実施する企業も多いですが、派遣人材は派遣会社が選考からマッチングまで代行するため、採用工数を抑えることができます。雇用責任も異なり、派遣社員の雇用主は派遣会社、正社員は自社が直接雇用します。
サーバーエンジニアを派遣会社で確保するメリット
派遣は人材不足を迅速に解決できるだけでなく、採用コストの削減やリソースの柔軟な調整なども可能です。とくに、クラウド移行のような緊急性が高く大規模なプロジェクトでは、派遣の活用が成功の鍵を握るケースも少なくありません。
主要なメリットは以下のとおりです。
必要に応じてリソースを確保できる
採用コストと人事工数を削減できる
契約期間に柔軟性がある
経営層への説明材料としても活用できるので、ここで押さえておきましょう。
必要に応じてリソースを確保できる
派遣を活用するメリットとして、プロジェクトの規模や進捗に応じて柔軟に人員を増減できる点が挙げられます。
正社員は給与などが固定費として発生しますが、派遣なら必要なときだけ人材を確保できるため、費用面での経営効率が向上します。
たとえば、オンプレミスからAWSへの移行プロジェクトでは、設計・構築の間だけ人員を増強し、移行完了後は少数の運用経験者に切り替えるといった調整ができます。
プロジェクト完了後は契約終了で人件費が発生しないため、余剰人員を抱えるリスクもありません。ITインフラ構築案件のように、業務量の変動がおおきい企業にとくに適した人材活用方法です。
採用コストと人事工数を削減できる
派遣を活用すれば、求人広告費や採用サイト費用、人材紹介手数料といった初期費用を削減することができます。
また、書類選考や面接調整、内定手続きといった人事部門の工数も大幅に削減可能です。派遣会社が人材の募集から選考、マッチングまでをすべて代行するため、人事担当者は本来のコア業務に集中できます。
給与計算、社会保険手続き、福利厚生管理といった労務管理も派遣会社が実施するため、人事部門の負担を軽減できるでしょう。時間とコストを節約しつつ、Linux運用経験者やAWS認定資格保有者といった必要な人材を確保できるのは、派遣活用のおおきな魅力です。
契約期間に柔軟性がある
派遣契約はプロジェクト単位での契約が可能で、3か月、6か月、1年といった期間を自由に設定できます。繁忙期のみの増員や特定フェーズでの活用が可能なため、無駄なコストを抑えながら最適なタイミングで人材を投入できます。
たとえば、年末商戦に向けたECサイトのサーバー増強プロジェクトなら、9月から12月までサーバーエンジニアを派遣で確保し、商戦終了後は契約を終了するといった運用ができます。
契約終了後は人件費が発生しないため、固定費を抱えるリスクを回避可能です。正社員だとプロジェクト完了後も雇用継続が必要で余剰人員問題に悩まされますが、派遣なら契約終了で人件費負担を抑えることができます。
サーバーエンジニアを派遣会社で確保するデメリット
派遣には多くのメリットがある一方で、注意すべきデメリットも存在します。事前に対策を講じておけば、リスクを最小限に抑えながら派遣を効果的に活用できます。
この章では、派遣の3つの主要なデメリットについて解説します。
的確な指揮命令ができる人材が必要
受入期間に制限がある
自社へのノウハウ蓄積や定着が難しい
デメリットを正しく理解して、経営層への説明や社内調整に備えましょう。
的確な指揮命令ができる人材が必要
派遣社員を受け入れるには、適切に指揮命令できる社内人材が必要です。派遣エンジニアに対して業務指示、進捗管理、技術的な判断を行うプロジェクトリーダーやマネージャーの配置が不可欠です。
業務指示が曖昧だと成果物の品質低下や進捗遅延を招く恐れがあります。たとえば「AWSでサーバーを構築してほしい」と伝えるだけでは、具体的な要件が伝わらないかもしれません。
「AWS上にLinuxサーバーを3台構築し、Application Load Balancerで負荷分散する構成を整えてください。データベースはAmazon RDSでPostgreSQLを使用し、CloudWatchで監視設定も実施してほしい」といった具体的な指示ができる人材が必要です。
また、定期的なコミュニケーションとフィードバックを行う体制整備も重要です。社内に指揮命令できる人材がいない場合は、専門エンジニアの確保・育成が優先されます。
受入期間に制限がある
メリットで契約期間に柔軟性があると解説しましたが、労働者派遣法第40条の3により、同一組織単位での派遣受入期間は最長3年までと定められていることに注意しましょう。
3年経過後は直接雇用や部署異動、契約終了のいずれかを選択しなければなりません。長期プロジェクトの場合、3年後の対応を事前に計画しておく必要があります。
サーバーエンジニアの場合、クラウド移行プロジェクトやシステム刷新など長期にわたる案件も多いので、とくに注意が必要です。
ただし常用型派遣の場合は3年ルールの適用外となるケースもあり、紹介予定派遣を活用すれば正社員へ登用する選択肢もあります。受入期間の制限を理解せずに契約すると法令違反のリスクがあるため、派遣会社に相談するときは契約終了後の対応について確認しておきましょう。
自社へのノウハウ蓄積や定着が難しい
派遣社員が獲得した知識やスキルは、契約終了とともに流出してしまうリスクがあります。プロジェクト固有のノウハウが社内に残りにくく、長期的な技術継承や組織の成長という観点では課題と言えます。
対策としては、派遣社員と自社人材をペアにして知識移転を促進する方法が効果的です。属人化を防ぐことも重要で、以下のような内容を文書として残すルールを設けましょう。
サーバー・ネットワークの構成図
各サーバーの詳細な設定内容(OS、ミドルウェア、セキュリティなど)
運用手順書とトラブルシューティングガイド
過去の障害対応履歴と解決方法
紹介予定派遣で優秀な人材を正社員として確保すれば、ノウハウの流出を防ぎながら組織の成長を実現できます。
サーバーエンジニアの派遣会社選びで重要なポイント
派遣会社によって保有人材の質や対応力、サービス品質が異なるため、選定を間違えるとプロジェクトの失敗に直結する恐れがあります。この章では、派遣会社選びで特に重要な3つのポイントについて解説します。
保有人材数と専門性
対応スピードとフォロー体制の充実度
料金の透明性とコストパフォーマンス
複数の派遣会社を比較検討して、自社に最適なパートナーを見つけましょう。
保有人材数と専門性
サーバーを含むITに特化した派遣会社を選ぶことが成功への第一歩です。大手派遣会社の場合、数千名から1万名以上のエンジニアを保有しており、ニーズに合った人材が見つかる可能性が高まります。
とくに重要なのは、Linux、Windows Server、クラウド(AWS・Azure)など、サーバーエンジニアに必要なスキルをもつ人材の在籍数です。実績のある派遣会社は研修制度が充実しており、派遣するエンジニアの質も高い傾向があります。
総合派遣会社よりもIT専門の派遣会社の方が高い精度でのマッチングを期待できるでしょう。
対応スピードとフォロー体制の充実度
相談から派遣までの平均日数は、派遣会社選びで重要な指標の一つです。一般的には2〜4週間が目安ですが、優秀な派遣会社ならさらに短い期間での配属も可能です。
派遣後の定期フォロー(月次訪問や電話相談)の有無も重要で、営業担当者が定期的に派遣先を訪問し、エンジニアと企業双方の状況を確認してくれるかも重要な要素です。
また、トラブル発生時の相談窓口とエスカレーション体制が整っているかも確認しましょう。エンジニアへのメンタルサポートやスキルアップ支援を行っている派遣会社は、人材の定着率が高く、質の高いサービスを期待できます。
料金の透明性とコストパフォーマンス
派遣料金の透明性とコストパフォーマンスも見逃せない要素で、後々のトラブルを避けるポイントです。労働者派遣法では、派遣会社はマージン率の公開が義務付けられています。
スキルレベル別の料金体系が明確になっているかどうかも重要です。たとえば「初級レベルは時給2,500円、Microsoft Azureを活用したインフラ構築経験者は時給4,000円」といったように、料金体系が明示されているかリサーチしましょう。追加費用(交通費、残業代、深夜手当など)の取り扱いも事前に確認しておくことが重要です。
複数の派遣会社から相見積もりを取得して比較することも大切で、料金だけでなくサービス内容や保有人材の質も総合的に判断します。
ただし、最安値だけで選ぶのは危険です。料金とサービス品質のバランスを見極めて、コストパフォーマンスの高い派遣会社を選びましょう。
派遣会社のサーバーエンジニアと契約するまでの流れ
派遣会社への相談から業務開始までは短期間で終了しますが、数多くの重要なステップを踏まなければいけません。派遣会社のサーバーエンジニアと契約するフローは以下のとおりです。
- 派遣会社への相談とヒアリング
- 要件定義と条件のすり合わせ
- 候補者の提案とスキルシート確認
- 候補者のスキル確認
- 契約締結と業務開始
各ステップの注意点を押さえて、スムーズに派遣契約を進める必要があります。
派遣会社への相談とヒアリング
派遣会社の営業担当に問い合わせをして、初回相談の機会を設けます。電話、メール、またはWebフォームから連絡可能です。
初回相談では、自社が抱えている課題とプロジェクトの全体像を説明します。必要な人員数、求めるスキル要件、派遣期間、おおよその予算など大まかな条件を伝えるのが効果的です。派遣会社側からは、サービスの仕組みや料金体系、契約形態などの基本的な説明を受けられます。
要件定義と条件のすり合わせ
具体的な業務内容を明確化し、設計・構築・運用のどのフェーズを担当してもらうのか詳細に定義する必要があります。必須スキルと推奨スキルを分けて整理することも重要です。たとえば「Linux運用経験3年以上は必須、AWS経験は推奨」といった優先順位をつけます。
他にも以下の条件を詳細に詰めていきます。
勤務条件の詳細(就業場所、勤務時間、残業の有無など)
派遣期間と契約更新の可能性
予算の確認と料金の調整
業務開始希望日
要件が曖昧だとミスマッチの原因になるため、できるだけ詳細に条件をすり合わせることが成功への近道です。
候補者の提案とスキルシート確認
派遣会社が、保有している人材データベースの中から要件に合う候補者を選定・提案します。候補者のスキルシート(職務経歴書)が提示されるので、プロジェクト経験、技術スキル、保有資格などを細かくチェックする必要があります。
スキルシートには以下の情報が記載されています。
- これまで携わったプロジェクトの概要
- 担当した役割
- 使用した技術
- プロジェクト期間
複数名の候補者を提案してもらい、比較検討することでより最適な人材を選べます。スキルシートから読み取れない部分については、質問リストを作成して派遣会社に確認するのが効果的です。
候補者のスキル確認
労働者派遣法では事前面接は原則禁止されていますが「顔合わせ」という形式で候補者と会うことは可能です。この顔合わせは、候補者の技術力をより詳しく確認する貴重な機会となります。
具体的な技術質問を用意して、これまでの経験を深堀りしていくのが効果的です。たとえば「過去にサーバートラブルに遭遇したときにどう対応しましたか」といった実践的な質問が挙げられます。
技術だけでなく、コミュニケーション能力や人柄の確認も重要です。派遣会社の営業担当も同席して調整役を務めてくれます。双方の合意が得られれば契約手続きへと進みます。
契約締結と業務開始
双方の合意が得られたら、派遣契約書を作成して正式に契約を締結します。派遣契約書には、業務内容や就業場所、勤務時間、派遣期間、料金といった重要事項が明記されます。
とくに業務内容は詳細に記載することで後々のトラブルを防止できます。秘密保持契約(NDA)も同時に締結し、プロジェクトに関する機密情報の取り扱いについて合意を取ります。
また、受け入れ体制の準備として以下を整えておく必要があります。
PC
システムアカウント
作業環境
オリエンテーション計画
業務開始後も、派遣会社の定期フォローが継続します。
即戦力を採用する場合はフリーランスのサーバーエンジニアもおすすめ
派遣のサーバエンジニアは、契約期間の柔軟性や要件に応じた人材の確保しやすさなど多くのメリットがあります。しかし受入期間に3年ルールがあることやノウハウの定着を期待できない点も注意が必要です。
派遣のデメリットを解消したい場合は、フリーランスの活用を検討しましょう。特定の企業に所属せず個人で活動する人材のことで、以下のようなメリットがあります。
高度な専門スキルをもつ人材が豊富
契約条件や報酬に柔軟性がある
自社の技術力向上を期待できる
派遣とフリーランスの違いを詳細に知りたい方は、以下の資料も参照してみてください。

高度な専門スキルをもつ人材が豊富
フリーランスのサーバーエンジニアは特定の分野に強みをもつ人材が豊富です。
複数企業での多様なプロジェクト経験があり、AWS・Microsoft Azure・GCPなどの主要クラウドサービスやKubernetes、Terraformといった最新技術に精通しています。
また、フリーランスは市場価値を高める必要があるため最新技術のキャッチアップが早く、DevOpsやクラウドネイティブな開発手法などに知見のある人材も多いです。上流工程から任せられるレベルのエンジニアも多く、事前にポートフォリオでスキルを確認できる点も特筆すべきポイントです。
関連記事:サーバーエンジニアのスキルセットとは?クラウド領域における必要性も解説
契約条件や報酬に柔軟性がある
フリーランスとの業務委託契約は派遣契約より柔軟性が高いのが特徴です。派遣の3年ルールなどの期間制限がなく、数日から数週間の短期からスポット対応、1年以上の長期まで自由に設定できます。
週3〜4日勤務やリモートワークなど柔軟な働き方も可能で、コストを最適化しながら必要なリソースを確保できます。報酬も交渉の余地があり、スキルレベルやプロジェクトの難易度に応じて適正価格を設定できます。期間制限がないため、優秀なエンジニアと長期的な関係を構築し、継続的なパートナーシップを築くことも可能です。
関連記事:インフラエンジニア案件の単価と相場はいくら?外注するメリットも解説
自社の技術力向上を期待できる
フリーランスは契約先でのコミットメントが高い傾向にあります。複数プロジェクトで培った知見を共有し、コードレビューや設計レビューを通じて社内エンジニアのスキル向上に貢献してくれるでしょう。
社内で不足している技術領域の知識を補完でき、プロジェクトを進めながら社内メンバーがスキルアップする環境を構築できます。システム構成図や運用マニュアル、ベストプラクティスなどの成果物が社内資産として蓄積され、長期的に自社の技術力を底上げする効果を期待できます。
フリーランスのサーバーエンジニアを探すならクロスネットワークがおすすめ
サーバーエンジニアの採用を派遣会社に依頼すると、即戦力の確保による教育コストの削減や必要なときにだけ活用可能といったメリットを得られます。
一方で、契約期間の制限や派遣されるエンジニアのスキルなどで、要望に沿う派遣会社が見つからないケースも多々あります。とくに社内に新たな知見・技術を取り入れたい場合は、フリーランスの検討も効果的です。
クロスネットワークでは、サーバーに強いエンジニアを迅速にマッチングいたします。プロジェクト単位でも柔軟に対応しており、初めての業務委託を検討する企業でも安心です。
クロスネットワークに相談いただければ、最短3営業日でのアサインも可能です。また、週2〜3日の依頼にも対応しているので、ご要望に応じて柔軟な外注をサポートいたします。
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- クロスネットワークの特徴
- クロスネットワークに登録しているインフラエンジニア参考例
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新卒で大手インフラ企業に入社。約12年間、工場の設備保守や運用計画の策定に従事。 ライター業ではインフラ構築やセキュリティ、Webシステムなどのジャンルを作成。「圧倒的な初心者目線」を信条に執筆しています。
