SESとフリーランスの違い|自社にマッチする委託先の選び方を解説

SESとフリーランスの違い|自社にマッチする委託先の選び方を解説

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正社員のエンジニア採用に対する難易度が高まるなか、SESやフリーランスへの業務委託を検討する企業も少なくありません。どちらも同じ「準委任契約」を前提とするケースが多いものの、契約形態やコスト構造などに細かな違いがあります。

両者の違いを把握せずに発注してしまうと「期待していたスキルと違う」「想定外のコストがかかる」といったミスマッチになりかねません。そこで本記事では、SESとフリーランスの違いをもとに、自社にとって「どちらを選ぶべきか」を解説します。企業のニーズにあわせて具体的に解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

【結論】SESとフリーランスのどちらを選ぶべき?

SESとフリーランスは同じ業務委託であっても、契約の選択肢や役割、活用シーンが異なるため、自社の状況にあわせて使い分ける必要があります。記事の結論としては、以下の観点で選ぶのが効果的です。

  • 複数名を短期間で確保したい場合は「SES」
  • スキルの専門性と契約の柔軟性なら「フリーランス」

SESとフリーランスの特徴を整理しながら、自社に適した選択基準を理解してみましょう。


【派遣・業務委託・SES】インフラエンジニア契約形態比較表

インフラエンジニアの契約形態を理解できていないと、十分な成果が得られなかったり、トラブルにつながったりする恐れが。 本資料では、そんなインフラエンジニアの契約形態について比較・解説します。

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複数名を短期間で確保したい場合は「SES」

複数名のエンジニアを同時に確保し、自社の体制を短期間で整えたい場合は、SES(システムエンジニアリングサービス)の活用が有効です。複数名のエンジニアが在籍しているSES企業には、案件内容や稼働条件に応じて一定人数をまとめてアサインできる体制が整っています。

また、プロジェクトの規模が大きい場合には、チーム単位での受け入れやフェーズごとの連携なども期待できます。現場に常駐する作業者を複数名まとめて確保したい企業は、サポート体制に優れたSESの活用を検討してみましょう。

関連記事:大手SES企業の売上高ランキング|エンジニア確保のポイントも解説

スキルの専門性と契約の柔軟性なら「フリーランス」

専門分野の経験豊富なエンジニアを求めるなら、フリーランスの活用が効果的です。最新技術やニッチな分野に精通した人材も多く、企業に所属していないからこそスキルを高める意識が強い傾向にあります。

また、プロジェクトの規模に応じて、契約期間や稼働日数を調整しやすい柔軟さも魅力です。専門性が求められる一部の業務を外部委託したい企業には、フリーランスが適しています。

SESとフリーランスの主な違い

SESとフリーランスには、以下の観点に違いがあります。

  • 契約形態・指揮命令権
  • 業務の進め方・管理方法
  • スキルレベル・専門性
  • リソース確保までのスピード
  • 委託コスト・費用対効果

自社の課題にあわせて使い分けるため、それぞれの特性を理解しておきましょう。

契約形態・指揮命令権

主な違いSESフリーランス
契約形態業務委託
(主に準委任契約)
業務委託
(準委任契約または請負契約)
発注側の指揮命令権
(労務管理)
なしなし

SESの契約形態は、業務委託の一種である「準委任契約」が一般的です。「SES契約」と表現されるケースもありますが、法律上の契約類型はありません。

関連記事:準委任契約(SES)と請負・派遣の違い|偽装請負の対策も解説

フリーランスの契約形態は、プロジェクトの目的に応じて準委任契約または請負契約を選択できます。

いずれの場合も、労務管理(勤怠管理・評価・懲戒など)に関する指揮命令権は、発注側企業にはありません。そのため、発注企業とエンジニアの関係は雇用関係ではなく、契約内容に基づいた業務委託として整理されます。

関連記事:フリーランスのインフラエンジニアに業務を委託する流れとは?単価相場や注意点も解説

業務の進め方・管理方法

SESとフリーランスは、ともに発注側の企業に労務管理上の指揮命令権がありません。ただし、業務の進め方・管理方法の観点は異なります。

SESは、常駐先のルールや管理方針に従うのが一般的です。労務管理をSES企業が担うため、発注企業は日々のタスク指示や業務調整に集中しやすくなります。ただし、具体的な業務指示は主に常駐先が行うため、SES企業が進捗管理を「すべて代行する」というわけではありません。

一方でフリーランスの進捗管理は、発注者がエンジニアに業務内容と納期を伝え、その作業結果を受け取る形式が基本です。エンジニアとの直接的なやり取りが必要なため、SESのほうが管理負担が少ない場合もあります。

スキルレベル・専門性

確保できる人材のスキルレベルや専門性についても、SESとフリーランスでは傾向が異なります。SES企業に在籍するエンジニアは若手からベテランまで幅広く、幅広い業務に対応できるサポート体制が強みです。

ただし、SES企業の判断で人材がアサインされるため、スキルのミスマッチが発生するケースも否定できません。また、エンジニアの指名や選考を目的として行う面談は、偽装請負や労働者派遣法違反と判断される可能性もあるため注意が必要です。

スキルを強みにして案件を受注する必要があるフリーランスは、技術のキャッチアップが早い人材が多い傾向にあります。そのため、専門的な技術課題の解決や即戦力を求める場合は、フリーランスエンジニアを選ぶのが有効です。

リソース確保までのスピード

SESとフリーランスは、エンジニアの迅速なリソース確保に効果的な選択肢です。ただし、委託する業務の目的に応じて使い分けましょう。

所属するエンジニア数が多いSES企業であれば、複数名のリソース確保を実現しやすい傾向があります。ただし、要件にマッチする人材がアサインされるかどうかは、SES企業の状況に左右されるケースも少なくありません。

市場全体の母数が多いフリーランスは、自社の要件にマッチする人材を見つけやすい傾向があります。フリーランスエージェントを活用すれば、自社の要件にマッチする候補者のスムーズな確保も可能です。

委託コスト・費用対効果

委託先を検討するうえで、委託コストや費用対効果は重要な判断材料です。SESとフリーランスには、以下のようなコスト面の違いがあります。

委託先主な違い
SES
  • 中間マージンが含まれる
    (手数料や管理費など)
  • フリーランスと比べてコストが高額になりやすい
フリーランス
  • 中間マージンが含まれない
    (個人と直接契約する場合)
  • エージェントを活用する場合はマージンが発生する

SESの委託コストには、月額単価に加えて手数料や管理費などの中間マージンが含まれます。また、同等のスキルレベルの人材を比較した場合に、フリーランスと比べてコストが高額になりやすい傾向があります。

個人のフリーランスと直接契約する場合は、エンジニアに支払う月額単価に中間マージンが含まれません。ただし、SESには勤怠管理や稼働調整などの管理業務を任せられるメリットもあるため、単純な単価ではなく委託業務に対する総合的な費用対効果で判断しましょう。

また、エージェントサービスを活用する場合は、中間マージンが発生します。一般的なマージン率の目安は以下のとおりです。

  • SES:30~40%程度
  • エージェント:20~30%程度

【ニーズ別】SESに委託するメリットがある企業

自社の課題を解決するためにSESを活用すべきかどうかは、求めるリソースの規模や期間によって判断できます。とくに以下のケースに該当する場合は、SESの活用が効果的です。

  • 常駐作業者を迅速に確保したい
  • チーム体制でエンジニアを投入したい
  • 長期的・継続的に業務を委託したい

プロジェクト状況と照らし合わせながら、自社に適しているかどうかを見極めてみてください。

常駐作業者を迅速に確保したい

自社に常駐できる作業者を迅速に確保したい場合は、SESの業務委託が適しています。たとえば、以下のような業務を委託するケースです。

  • インフラの運用・保守
  • 大規模システムのテスト
  • キッティング

関連記事:SESでキッティング作業を依頼できる?費用対効果を高める選択肢とは

また、SESの強みは、実務経験のあるエンジニアを迅速にプロジェクトに投入できる体制です。在籍するエンジニア数が多いSES企業であれば、複数名のリソース確保にも応えられます。

チーム体制でエンジニアを投入したい

大規模プロジェクトや基幹システムの刷新など、複数名のエンジニアを動かす必要があるケースもSESを活用できます。インフラの保守チームを立ち上げたり、小規模な改修をまるごと委託したりするケースに効果的です。

また、稼働状況の把握や調整をSES企業側がフォローするため、自社担当者の負担軽減も期待できます。個人と契約するフリーランスの場合は、チーム体制や部署間の連携が必要です。

長期的・継続的に業務を委託したい

運用や保守のように毎月一定量の継続作業が発生する業務は、長期的に人材を確保しやすいSESが適しています。ただし、SES・フリーランスにかかわらず、数年にわたり同じ担当者が継続するケースは一般的ではありません。

SESに業務委託する場合も担当者の入れ替えは発生します。しかし、SES企業が代替要員のアサインや引き継ぎをサポートできるため、業務が滞るリスクを抑えやすい点が特徴です。

【ニーズ別】フリーランスを活用するメリットがある企業

フリーランスの強みは、専門性の高さや契約の柔軟性です。自社のニーズが以下に該当する場合は、活用するメリットがあります。

  • 専門領域に詳しいエンジニアを確保したい
  • 柔軟な契約条件で委託したい
  • 委託範囲を限定し費用対効果を最適化したい

SESと比較して組織の制約が少ないため、スピーディかつピンポイントな課題解決を期待できます。自社の課題にあわせて、フリーランスの活用を検討してみましょう。

専門領域に詳しいエンジニアを確保したい

フリーランス市場には、専門的な知識やスキルをもつエンジニアも少なくありません。たとえば、クラウド環境の運用改善につながるIaCの実装スキル(Terraformの使用経験・関連言語の知識など)を求める場合にも効果的です。

また、属人化している設計や運用の方法を見直すように、インフラの部分的な改善を目的に外部の知見を取り入れたい企業にも適しています。特定の技術的な課題に直面している場合は、該当分野に強みのあるフリーランスを探してみるのも有効な判断です。

柔軟な契約条件で委託したい

フリーランスの業務委託には、プロジェクトの規模や状況にあわせて柔軟な契約条件を提示しやすいメリットがあります。たとえば、以下のようなニーズに適任です。

  • 一時的な増員
    (短期プロジェクト・繁忙期のスポット対応など)
  • 週2〜3日稼働での部分委託
  • 成果物単位の依頼
  • 技術顧問としての依頼
    (レビュー対応・技術選定など)

フリーランス(個人)であれば、双方の合意次第で稼働する時間や場所を柔軟に調整できます。また、稼働時間に応じて報酬を支払うため、コストを固定費ではなく変動費として扱える柔軟性も魅力です。

委託範囲を限定し費用対効果を最適化したい

限られた予算で最大限の成果を出したいと考えるなら、フリーランスの活用が有効な選択です。プロジェクト単位で委託できるため、必要な期間・範囲に絞ってコストを抑えられます。

企業と契約するSESでは、中間マージンによるコストの考慮も必要です。個人と契約するフリーランスであれば、同程度の予算でよりスキルの高い人材を確保しやすい傾向があります。

ただし、高い費用対効果を実現するためには、発注側による依頼内容の明確化も必要です。指揮命令権のないフリーランスに対してあいまいな要件を提示すると、期待した成果が得られない可能性も高まります。

フリーランス活用の成功にエージェントが有効な理由

フリーランスのエンジニアを確保したくても、自社だけで候補者を見つけるのは簡単ではありません。スキルの見極めや契約手続きなど、採用担当者の負担となる業務も多く発生します。

そのような課題を解決する手段として、エージェントサービスの活用も効果的です。ここからは、フリーランスエージェントを活用する以下の3つのメリットを解説します。

  • 自社の要件にあった人材を確保できる
  • 契約手続きのサポートも依頼できる
  • SESと比較してマージン率が低い

自社の要件にあった人材を確保できる

フリーランスエージェントは、企業が求める要件にマッチする人材を迅速に提案できます。たとえば、以下のように細かな条件を提示すると、エージェントのデータベースから要件を満たす(または近似する)候補者の提案が可能です。

  • AWS環境のクラウド構築経験が3年以上ある
  • 週3日・月80~100時間で稼働できる
  • CI/CDパイプラインの運用経験がある

また、自社でスカウトや求人募集をする場合には、以下のような課題が発生しやすい傾向もあります。

  • スキルや実績のミスマッチが発生する
  • 応募が集まらない
  • 候補者の選定に時間がかかる

効果的な人材確保により、採用コスト(時間・費用・ミスマッチ)の削減につながるケースも少なくありません。

契約手続きのサポートも依頼できる

フリーランスを初めて活用する企業には、契約書の作成や内容の確認が難しいという悩みがつきものです。エージェントサービスには、契約手続きのサポートやトラブル発生時の窓口対応も依頼できます。

フリーランスとの契約に不慣れな場合は、法務リスクや抜け漏れを防げるエージェントのサポートがあると安心です。たとえば、フリーランスエージェント「クロスネットワーク」では、契約手続きや正社員へ契約転換もサポートしています。


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SESと比較してマージン率が低い

エージェントサービスを活用する場合も、SESと同様に中間マージンが発生します。ただし、SESと比較してもマージン率は一般的に高くありません。

  • SES:30~40%程度
  • エージェント:20~30%程度

また、SESは企業間の取り引きとなるため、二次請け・三次請けなど複数のマージンが発生するケースもあります。フリーランスエージェントの場合は、企業・エージェント・個人というシンプルな構造になりやすく、中間マージンを比較的低く抑えられるでしょう。

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SESとフリーランスは、どちらもプロジェクトに求める技術力を確保する手段として有効です。ただし、いずれも外部の人材を活用する選択肢ですが、契約の選択肢や管理の考え方、コスト構造には細かな違いがあります。

それぞれの強みを生かすためには、自社の要件やプロジェクトの規模にあわせた選択が必要です。たとえば、専門的なスキルや経験をもつインフラエンジニアを確保したいなら、今回解説したようにフリーランスの活用を検討してみましょう。

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伊藤拓也
記事を書いた人
伊藤拓也

元エンジニアのWebライター。自動車部品工場のインフラエンジニアとして、サーバー・ネットワークの企画設計から運用・保守まで経験。自分が構築したインフラで数千人規模の工場が稼働している達成感とプレッシャーは今でも忘れられない。

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