【企業向け】SREの平均年収|その他のエンジニア職との比較も紹介

【企業向け】SREの平均年収|その他のエンジニア職との比較も紹介

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「システムの運用負荷を改善したい」「サービスの信頼性を高めたい」といった課題を背景に「SRE(Site Reliability Engineering)」の導入を計画している企業も多いのではないでしょうか。しかし、いざ導入を検討しても、SREエンジニアの採用コストや費用対効果の疑問が残り、具体的なアクションに移せないケースも少なくありません。

そこで本記事では「SREの平均年収」をテーマに、導入の意思決定を下すために必要な情報を解説します。その他のエンジニア職との年収比較はもちろん、SREエンジニアの高い年収に見合う導入メリットなども解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

SREエンジニアの年収相場

SREエンジニアの平均年収は、その他のITエンジニア職種と比較して高い水準にあります。事業の成長に欠かせないシステムの信頼性を担う専門職であるため、役割の価値が年収に反映されているのも一つの要因です。

中堅クラス(実務経験4〜7年ほど)のSREエンジニアの平均年収は、700万円〜1000万円が相場です。もちろん、あくまでも相場であり、個人のスキルや経験、企業の規模によって変動します。

また、フリーランスや業務委託といった契約形態に目を向けると、より高い報酬が設定されるケースも少なくありません。たとえば、クロスネットワークでは想定月給「80万円〜110万円」に設定しているSRE向けプロジェクトもあり、年収に換算すると「960万円〜1320万円」に相当します。

その他のエンジニア職との年収比較

エンジニア職
平均年収(※)
SREエンジニア
700万円~1000万円
インフラエンジニア
497万円
クラウドエンジニア
495万円
システムエンジニア
509万円

※本表の年収データは、いずれも参照元の最新公開情報に基づいています(2025年11月時点)。
 年収データの調査時期には一部差異があります。

上記の表は、求人ボックスの調査データをもとに、SREエンジニアとその他の代表的なエンジニア職の平均年収を比較したものです。インフラエンジニアやクラウドエンジニアの平均年収がおおむね500万円前後であるのに対し、SREエンジニアの平均年収は200万円以上も上回っています。

(参考:インフラエンジニアの仕事の年収・時給・給料|求人ボックス
(参考:クラウドエンジニアの仕事の年収・時給・給料|求人ボックス
(参考:システムエンジニアの仕事の年収・時給・給料|求人ボックス

インフラエンジニアやクラウドエンジニアもシステムの基盤を支える専門性の高い職種であり、一般的なシステムエンジニアと比較しても遜色ない水準の年収です。それでもSREエンジニアの年収が上回っている背景には、役割の広さが大きく関係しています。

SREエンジニアの役割は、システムの安定稼働を維持するだけではありません。以下のように、ビジネスの成長に直結するような役割も担います。

  • インフラ運用業務の自動化
  • パフォーマンスの最適化
  • 将来のサービス拡大を見据えたスケーラビリティの向上

ビジネスの成長に貢献する市場価値の高さが、結果として年収相場を高めている要因です。

関連記事:【企業向け】インフラエンジニアの年収目安と低コストで運用する方法を解説

関連記事:【企業向け】クラウドエンジニアの単価相場|採用コスト最適化のコツも解説

SREエンジニアの年収が高まっている理由

その他のエンジニア職と比較してSREエンジニアの年収が高い水準にあるのは、求められるスキルや市場の状況が影響しています。

企業のサービスを安定的かつ継続的に稼働させるSREの役割には、システム開発とインフラ運用の深い知識が必要です。ここからは、SREエンジニアの年収が高まっている理由について、以下3つの観点で深堀りします。

  • 専門的なスキルを求められるため
  • クラウド導入の需要が高まっているため
  • SREを任せられる人材が希少であるため

専門的なスキルを求められるため

SREエンジニアの年収が高い理由の一つは、業務に専門的で幅広いスキルが求められるからです。サーバーやネットワークといったインフラの基盤構築に加え、以下のような開発に近い領域にも深く関わります。

  • システムの監視
  • パフォーマンス分析
  • 自動化ツールの開発
  • 障害発生時の原因究明
  • 再発防止策の検討

そのため、SREエンジニアには、以下のように幅広いスキルセットが求められるケースも少なくありません。

  • プログラミングスキル(Python・Go・Javaなど)
  • 自動化ツールに関する知識
  • パフォーマンス分析スキル

開発と運用の異なる分野における専門知識を扱えるSREは、企業のビジネス成長に大きく貢献できます。そのため、幅広い業務に対応できる人材は、市場における評価が高く、年収水準を引き上げているのです。

関連記事:SREエンジニアとは?インフラエンジニアとの違いを詳しく解説!

クラウド導入の需要が高まっているため

出典:総務省|令和6年版 情報通信白書|データ集

SREエンジニアの平均年収が高まっている要因としては、社会全体でクラウドサービスの導入が進められている背景も挙げられます。とくに企業のデジタル変革(DX)が推進されており、クラウドサービスは事業を成長させるための中心的な役割です。

総務省が公表した「令和6年版 情報通信白書」によると、企業におけるクラウドサービスの利用状況は2023年時点で77.7%に達し、2019年から継続して増加傾向にあります。

しかし、クラウド環境を活用しはじめた多くの企業では、運用面で以下のような課題が発生している現状です。

  • セキュリティの確保
  • パフォーマンスの最適化
  • ランニングコストの削減

企業の課題を解決する役割として、システムの安定化や効率化を担うSREエンジニアの需要が高まっています。

SREを任せられる人材が希少であるため

SRE(Site Reliability Engineering)と呼ばれる概念がGoogleによって提唱されたのは2004年です。SREの概念自体は確立されていますが、国内企業に浸透しはじめた時期はそれほど古くありません。そのため、まだエンジニア職としては発展途上といえます。

そのため、市場全体で見てもSRE経験者の人数は少ないのが現状です。企業のクラウド導入需要が急増している状況に対して、SREエンジニアの供給が追いついていません。

需要と供給のバランスの崩れは、SREエンジニアの年収を高騰させる一つの要因です。優秀な人材を確保するため、高い年収を提示せざるを得ない状況が生まれています。

SRE導入の費用対効果|期待できる3つメリット

SREエンジニアの高い年収を見て、導入コストに懸念をもつ担当者もいるかもしれません。しかし、SREの導入により、以下のようにコストを上回る費用対効果が得られる可能性もあります。

  • システムの安定性・可用性の向上
  • 運用の自動化による対応コストの削減
  • システムの開発・運用の連携強化

SREエンジニアの役割は、システムの信頼性向上によるビジネス全体の成長促進です。ここからは、SRE導入によって期待できる3つのメリットを解説します。

関連記事:SREとは?導入のメリットやインフラエンジニアとの関係性を解説

システムの安定性・可用性の向上

SREの導入には、以下のようにシステムの安定性と可用性(※)を高められるメリットがあります。

※可用性とは、システムが停止せずに継続稼働する能力を表す指標です。

  • 監視体制の強化
  • 障害対応プロセスの改善
  • 自動化によるヒューマンエラーの削減

システムの稼働状況を監視する体制の強化により、問題の予兆を早期に検知可能です。障害が発生したときには、あらかじめ定められたプロセスに沿って迅速に対応します。

さらに、手作業によるミスを減らすため、自動化を積極的に推進するのもSREの特徴です。繰り返し発生する定型的な作業をプログラムで自動化すれば、人為的なミスを防ぎ、システムの信頼性を底上げできます。

システム障害による影響を最小限に抑えることで、ビジネスの機会損失を防ぐ継続性の確保が可能です。安定したシステムは顧客からの信頼獲得につながるため、ビジネスの成長を支える重要な基盤となります。

運用の自動化による対応コストの削減

日々の運用業務を自動化し、対応コストを削減できるのもSRE導入の大きなメリットです。システムの運用現場では、以下のような繰り返しの手作業も少なくありません。

  • サーバーの再起動
  • ログの確認
  • バックアップ作業

ツールやスクリプトといったプログラミング技術を活用し、SREエンジニアは手作業を自動化します。運用にかかる工数を削減できれば、手作業に費やしていた時間を新機能の開発やサービスの改善といった付加価値の高い業務への割り当ても可能です。

また、手作業の自動化はヒューマンエラーの削減にもつながるため、システムの安定性向上も期待できます。

関連記事:ITインフラ運用とは?仕事内容や保守との違い・外注のメリットについて解説

システムの開発・運用の連携強化

SREには、開発チームと運用チームの連携を強化する役割もあります。開発チームと運用チームは取り組みの目的が異なるため、従来の手法では連携不足による対立が発生するケースも少なくありませんでした。

  • 開発チーム:新機能のリリースが目的・開発スピードを早めたい
  • 運用チーム:システムの安定化が目的・じっくりと分析検証したい

SREエンジニアは、共通の目標を設定することで両者の連携を促します。たとえば、開発段階から以下のような観点で運用性の考慮を促します。

  • リリース後の監視がしやすい設計になっているか
  • 障害発生時に原因特定しやすいログが出力されるか

開発段階から信頼性や運用性が考慮されたシステムを構築できれば、結果的に開発全体の効率も向上します。

関連記事:開発エンジニアとインフラエンジニアの違いとは?採用のポイントも解説

SREエンジニアを確保する3つの選択肢

高い専門性が求められるSREエンジニアは、採用市場において希少な存在です。SREエンジニアを確保する方法には、正社員採用だけでなく、以下のような選択肢もあります。

  • 正社員の採用
  • 社内エンジニアの育成・配置転換
  • フリーランスの活用

それぞれの選択肢には異なる特徴があるため、自社の状況に適した方法を検討してみましょう。


【派遣・業務委託・SES】インフラエンジニア契約形態比較表

インフラエンジニアの契約形態を理解できていないと、十分な成果が得られなかったり、トラブルにつながったりする恐れが。 本資料では、そんなインフラエンジニアの契約形態について比較・解説します。

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正社員の採用

長期的な視点でSREの文化を組織に根付かせたい場合は、正社員として採用する方法が有効です。自社の正社員としてSREエンジニアを迎え入れると、企業の理念や文化を深く理解したうえでシステムの信頼性向上に取り組んでもらえます。

ただし、正社員採用には、考慮すべき注意点も少なくありません。たとえば、専門性が高いSREの経験豊富な人材が限られているため、採用活動が長期化しやすい傾向があります。

また、SREエンジニアの年収は高い水準にあるため、固定費としての人件費の考慮も必要です。メリットとデメリットを総合的に判断し、長期的な組織づくりを見据えて正社員採用を検討しましょう。

社内エンジニアの育成・配置転換

社内の人材をSREエンジニアとして育成し、配置転換する方法も有効な選択肢です。社内の業務やシステムに詳しい人材がSREを担当するため、外部から採用した人材に比べてスムーズに業務を始められるメリットがあります。

ただし、SREに求められるスキルセットを習得するには、少なからず時間とコストがかかります。たとえば、インフラ運用を担当しているエンジニアであれば、プログラミングや自動化ツールの知識を学ぶ機会が必要です。

また、既存の業務との兼任によって、担当者の負担が増加してしまう可能性もあります。SREに専念できる環境を整えるため、一時的に外部人材を活用するのも効果的です。

関連記事:インフラエンジニアの職種内容を徹底解説!人材採用のポイントも紹介

フリーランスの活用

以下のような状況では、フリーランスの活用が効果的です。

  • 特定のプロジェクトで即戦力が必要な場合
  • スモールスタートでSREを試したい場合

フリーランスであれば、プロジェクトの要件にあったSREエンジニアを必要なタイミングで確保できます。さらに、豊富な実務経験をもつ人材が多いため、即戦力としての働きも期待できます。

また、コスト面の柔軟性もフリーランス活用のメリットの一つです。フリーランスとの契約はプロジェクト単位が基本となるため、プロジェクトの規模や期間にあわせて人員を調整できます。

人件費を固定費ではなく変動費として扱えるので、コストを最小限に抑えながらSREを導入可能です。以降の見出しでは、フリーランス活用のメリットを詳しく掘り下げます。

フリーランスのSREエンジニアを活用するメリット

高い専門性が求められるSREエンジニアの正社員採用には、時間がかかるだけでなく人件費が高額になりやすい課題もあります。そこで有効な選択肢がフリーランスの活用です。

ここからは、フリーランスのSREエンジニアを活用するメリットを以下の観点で解説します。

  • 即戦力人材を確保できる
  • コストを最小限に抑えられる
  • 柔軟な条件で契約できる

関連記事:フリーランスのSREエンジニアとは?メリットと人材選定ポイントも紹介

即戦力人材を確保できる

フリーランスのSREエンジニアを活用するメリットは、即戦力となる人材を迅速に確保できることです。フリーランスとして活動するエンジニアは、特定の技術分野で高度なスキルと豊富な実務経験をもっている傾向があります。

とくに以下のような知識は習得に時間がかかるため、経験豊富な外部の人材を確保するのが効果的です。

  • Docker・Kubernetesなどのコンテナ技術
  • TerraformなどのIaCツール
  • PrometheusやGrafanaなどの監視ツール
  • DevOpsに関する知識

経験豊富なフリーランスであれば、採用後すぐにプロジェクトの即戦力として活躍が期待できます。正社員採用のように入社後の研修や教育に時間を費やす必要がないため、プロジェクトのスムーズな立ち上げが可能です。

コストを最小限に抑えられる

フリーランスの活用には、コストを最小限に抑えられるメリットもあります。

たとえば、正社員を採用すると、給与だけでなく社会保険料や福利厚生費などのさまざまな固定費が発生します。とくに年収が高いSREエンジニアの場合は、付随する固定費も大きくなるのが一般的です。

一方でプロジェクトの期間にあわせて契約するフリーランスは、報酬を固定費ではなく変動費として柔軟に扱えます。プロジェクトが終了すれば契約も満了となるため、人件費を最小化しやすいのが特徴です。

柔軟な条件で契約できる

フリーランスとの契約には、プロジェクトの状況にあわせて柔軟に条件を設定できるメリットもあります。正社員の雇用契約とは異なり、業務委託契約は期間や業務内容を企業のニーズに応じて調整が可能です。

たとえば、一時的な人員補充が必要な場合に、以下のような短期的な役割も依頼できます。

  • SREチームの立ち上げを3か月間だけ支援してほしい
  • 新サービスのリリース直後だけ監視体制の強化を手伝ってほしい

また、プロジェクトの進捗に応じて、契約内容を更新できるメリットもあります。双方の合意のもとで、契約期間の延長・短縮といった調整が可能です。

SREエンジニアを探すならクロスネットワークがおすすめ

本記事の結論をまとめると、SREエンジニアの平均年収は「700万円〜1000万円」が相場です。SREエンジニアに求められるスキルの専門性や役割の難易度により、その他のエンジニア職と比較しても年収は高い傾向があります。

しかし、SREの導入はシステムの安定化や運用コスト削減につながるため、企業のビジネス成長を支える費用対効果の高い投資です。とくに費用対効果と契約の柔軟性を重視するのであれば、専門的なスキルをもつフリーランスのSREエンジニアの活用を検討してみましょう。

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  • クロスネットワークの特徴
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伊藤拓也
記事を書いた人
伊藤拓也

元エンジニアのWebライター。自動車部品工場のインフラエンジニアとして、サーバー・ネットワークの企画設計から運用・保守まで経験。自分が構築したインフラで数千人規模の工場が稼働している達成感とプレッシャーは今でも忘れられない。

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