インフラ担当の退職で起きる5つのリスク|退職前後の対応策を解説

インフラ担当の退職で起きる5つのリスク|退職前後の対応策を解説

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社内のインフラ担当が退職すると、サーバーやネットワークの管理、障害対応、アカウント管理、クラウド環境の運用、ベンダー対応などの業務が滞る可能性があります。とくに担当者が1〜2名しかいない企業では、業務内容や設定情報が属人化し、退職後にインフラの全体像を把握できず、何から確認すべきか分からない状況に陥りかねません。

場合によっては、システム障害への対応遅延やセキュリティリスクの増加など、事業運営に影響が及ぶケースもあります。

本記事では、インフラ担当の退職によって起こりうる具体的なリスクを整理し、退職前後に企業が取るべき対応策を解説します。

インフラ担当の退職が企業に与える具体的なリスク

社内ネットワークやサーバー、クラウド環境を管理するインフラ担当の退職は、企業運営に以下のようなリスクをもたらします。

  • システム障害が発生しても対応できない
  • セキュリティインシデントへの対処が遅れる
  • 社内インフラの構成・設定が誰にも分からなくなる
  • ベンダーや外部サービスとの契約管理が止まる
  • 業務停止や売上機会損失など、事業への影響が発生する

とくに専任の担当者が1〜2名しかいない企業では、業務が属人化しているケースがあります。十分な引き継ぎが行われないまま退職日を迎えると、障害発生時の対応遅延やセキュリティリスクの増加につながる可能性があります。

自社の状況と照らし合わせながら、影響を抑えるための事前準備が欠かせません。

リスク①システム障害が発生しても対応できない

インフラ担当が退職すると、社内でシステム障害が発生したときの復旧作業に遅れが生じる可能性があります。社内のサーバーやネットワークの構造を把握している人材がいなくなり、不具合の原因を特定する手順を追えなくなるためです。

専門知識のない社員が担当しても、システム障害の原因特定に必要な判断ができません。ログ確認や影響範囲の切り分けができないまま、手探りで再起動や設定変更を行うだけでは、同じ事象が再発する可能性が高まります。

リスク②セキュリティインシデントへの対処が遅れる

インフラ担当の不在は、サイバー攻撃やウイルス感染などのセキュリティインシデントへの対応の遅れにつながります。システムやネットワークの異常をいち早く検知し、被害の拡大を防ぐための専門スキルをもつ社員が不在になるためです。

たとえば、社員が使用するPCがランサムウェアに感染した場合には、直ちに該当端末をネットワークから切り離す初動対応が求められます。

しかし、専任のインフラ担当がいなければ、初動の遅れによって感染被害が社内システムへ広がる可能性があります。

実際に、近年は企業規模を問わずサイバー攻撃のリスクが高まっており、継続的なセキュリティ対策が求められています。

IPA(情報処理推進機構)が発表した「情報セキュリティ10大脅威 2026」の調査データによると、組織として対策が求められる脅威として、以下の項目が上位に挙げられています。

順位組織として対策が求められる脅威
1位ランサム攻撃による被害
2位サプライチェーンや委託先を狙った攻撃
3位AIの利用をめぐるサイバーリスク

関連記事:ITインフラにおけるセキュリティとは?重要性と企業の被害事例・対策も解説

リスク③社内インフラの構成・設定が誰にも分からなくなる

インフラ担当が不在の状況では、社内インフラの構成・設定の属人化が進み、内容を誰も把握できない状態に陥るリスクが高まります。少人数でネットワークを管理している環境では、各種システムの認証情報やアクセス権限の管理方法を担当者しか理解していない状況に陥りがちです。

新入社員のメールアドレス発行やIPアドレスの割り当てなど、社内インフラの構成・設定を誰も把握していないことで、日々の軽微な業務が滞る可能性もあるでしょう。

関連記事:ITインフラとは?種類と構成要素・エンジニアの仕事内容も解説

リスク④ベンダーや外部サービスとの契約管理が止まる

インフラ担当の退職によって、ITシステムにかかわるベンダーや外部サービスの契約管理が滞るリスクがあります。契約情報をインフラ担当だけが把握している場合、退職後に以下のような手続きで対応漏れが発生するケースもあるでしょう。

  • 業務ソフトウェアのライセンス更新手続き
  • クラウドサービス利用料の支払い
  • ドメインやメールサーバーの契約更新

契約管理のストップを防ぐためには、社内で利用しているベンダーや外部サービスを一覧化しておくことが重要です。契約の更新時期や支払い方法を整理し、スムーズに引き継ぐ体制を整えてみてください。

関連記事:【企業向け】ITベンダーとは?依頼するメリットやSIerとの違いも解説

リスク⑤業務停止や売上の機会損失など、事業への影響が発生する

システム関連のトラブルへの対応が遅れると、業務停止や売上の機会損失につながります。多くの業務がITインフラに依存しており、ネットワークや業務システムに障害が発生すれば、従業員が業務を進められなくなるためです。

たとえば、製造業の生産管理システムが停止すると、工場全体の稼働に影響が及ぶおそれがあります。復旧に数日かかれば、顧客対応に追われ、本来の事業活動に集中できなくなりかねません。

インフラ担当の退職前にやるべき対応

ここからは、インフラ担当の退職前に実行すべき4つの対応策を解説します。属人化していた業務を洗い出し、後任や外部委託先が作業内容を把握できる状態を整えましょう。

  1. 担当者に業務の棚卸しを依頼する
  2. 業務内容と構成情報のドキュメント化を進める
  3. 引き継ぎ期間を十分に確保する
  4. 後任採用だけでなく外部委託も含めた体制を検討する

インフラ担当から退職の申し出があった場合は、退職日までの期間で効率的に引き継ぎする準備が必要です。とくに退職前の段階では、業務の現状把握と情報の可視化を優先しましょう。

担当者に業務の棚卸しを依頼する

業務の棚卸しを行い、担当範囲を明確にしましょう。担当している業務の全容を把握しなければ、引き継ぎのスケジュールや必要な体制を判断できません。

担当者に対して、日次・週次・月次で行っている定常業務のリストアップを依頼します。ソフトウェアのライセンス更新手続きのように、年1回だけ発生する業務も忘れずに加えましょう。

業務内容と構成情報のドキュメント化を進める

業務の棚卸しが完了したら、担当者の業務内容やシステムの構成情報をドキュメント化します。口頭での引き継ぎでは細かい設定内容や作業手順が漏れやすいため、いつでも確認できるよう文書や図、一覧表で整理しておきましょう。

各種情報が文書や図で残っていないと、トラブルが起きたときの対応に遅れが生じます。仮に外部業者へ対応を依頼する場合でも、自社の環境をスムーズに説明できなければ作業に余計な時間やコストがかかりやすくなります。

引き継ぎ期間を十分に確保する

退職前の引き継ぎ期間は、十分に確保する必要があります。社内インフラにかかわる業務は専門性が高く、わずか数日で引き継げるほど単純ではありません。

退職者が保有する有給休暇の消化日数を考慮すると、実質的に出社して引き継ぎを行える期間が1か月未満になることもあります。最終出社日から逆算し、以下のように具体的な作業目標を定めた計画を立ててみましょう。

  • 第1週:業務の棚卸し
  • 第2週:手順書の作成
  • 第3週:同席しながら実務の引き継ぎ・不明点の確認

引き継ぎ期間が短すぎると、手順書の作成やドキュメントの整理だけで終わってしまう可能性もあります。実務に役立つノウハウが共有されず、不十分な引き継ぎで退職日を迎えることがないように計画を立てましょう。

後任採用だけでなく外部委託も含めた体制を検討する

社内でインフラ担当の後任を採用・育成するのが難しい場合は、外部委託を含めた運用体制も検討すべきです。採用市場ではIT人材が不足しており、自社の条件に合うエンジニアを短期間で確保するのは容易ではありません。

後任確保までの運用体制を補う手段として、業務委託やSESの活用も有効な選択肢です。採用活動や育成にかかる時間を補いやすいため、中小企業にとって現実的な解決策といえます。

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インフラ担当の退職後に企業が取るべき対応

インフラ担当の退職後は、以下のような対応が求められます。

  • まずは障害対応・運用維持のための緊急体制を構築する
  • 即戦力となる外部リソースを活用して運用を安定化させる
  • 社内体制の再構築と役割分担を見直す
  • 属人化を防ぐためにインフラ運用の仕組み化を進める

一定の引き継ぎが済んでいても、システム障害のように予期せぬトラブルが発生する可能性は残ります。まずは日々の運用を維持できる体制を整え、業務への影響を最小限に抑えることが重要です。

まずは障害対応・運用維持のための緊急体制を構築する

インフラ担当の退職直後は、障害対応と運用維持を目的とした緊急体制の構築を最優先します。担当者が不在の状態でトラブルが発生すると、原因の切り分けや復旧判断が遅れ、業務に影響を及ぼしかねません。

まず決めるべきなのは、トラブル発生時の連絡フローと窓口となる担当者です。障害時に相談できる外部の専門企業やエンジニアを確保しておくと、緊急時の初動対応が取りやすくなります。

即戦力となる外部リソースを活用して運用を安定化させる

緊急体制を整えたら、即戦力となる外部リソースを活用し、インフラ運用の安定化を図ります。専門性の高い業務を社内の社員だけで引き継ぐには*負担が大きく、対応が属人化したままでは再び同じリスクを抱えることになるためです。

業務委託やSESなどで外部の専門人材を活用すれば、障害対応や監視、設定確認、ドキュメント補完など、自社だけでは対応しきれない業務を補いやすくなります。退職後の運用を安定させるだけでなく、今後のインフラ運用体制を見直すきっかけにもなるでしょう。

関連記事:SESとフリーランスの違い|自社にマッチする委託先の選び方を解説

社内体制の再構築と役割分担を見直す

インフラ担当の退職後は、社内体制の再構築と役割分担の見直しも欠かせません。外部リソースへの依存度が高くなりすぎると、社内にノウハウが蓄積されにくくなります。自社で対応する業務と、外部へ委託する業務を明確に分けることが大切です。

たとえば、インフラ運用を見直す場合は、以下のような切り分けが考えられます。

  • 方針決定や業務要件の整理:自社業務を理解する担当者で内製
  • 構築や移行などの実務:対応スピードや専門性を重視して外注

社内のインフラ担当が1〜2名しかいない場合は、運用負荷の高い業務から外部委託を検討しましょう。

関連記事:ITインフラの内製と外注はどっちが良い?状況別の判断基準を解説

属人化を防ぐためにインフラ運用の仕組み化を進める

将来的な属人化を防ぐためには、インフラ運用の仕組み化が欠かせません。特定のエンジニアに依存する体制を放置すると、担当者が退職するたびに引き継ぎの負担が大きくなります。以下の観点から運用ルールを整備しておきましょう。

  • ドキュメントの更新
  • 作業手順の標準化
  • 監視・通知ルールの整備

作成したドキュメントは、定期的な見直しで最新状態を維持します。

また、誰が作業しても同じ結果を得られるように、作業手順の標準化や監視・通知ルールの整備を進めることも有効です。

インフラ業務の関係者が迅速に対応できるように、常に最新の情報を共有できる体制と仕組みを整えましょう。

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自社に適したインフラ体制を構築するなら、インフラエンジニアを迅速に確保できるサービスの活用が有効です。インフラ担当の退職に伴う引き継ぎの負担や業務の属人化リスクを軽減するには、外部リソースの知見を取り入れる判断も求められます。

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